概要
時は平安。記憶を失くし、少年従者として紀貫之に仕える少女・朱鷺(とき)と、彼女を想う貫之の甥の鷹晴。
貫之の任地であった土佐から京への帰り道、暴風雨に遭った一行は導かれるように和泉の国のとある村に身を寄せる。
辿り着いた村に既視感を覚える朱鷺。
もしや、ここが生まれ故郷なのではと動揺する朱鷺は、その夜、黒い『髪』のような物の怪に襲われる。
からくも鷹晴に助けられるものの、二人の身体には呪いが残り――。
なぜ朱鷺は記憶を失ったのか。そして朱鷺と鷹晴を襲った物の怪とは……?
絡みあう想いの行く末は!? 平安和風恋愛ファンタジー。
※カクヨムコン応募作のため、完結まで毎日更新いたします。
※この物語はフィクションです。実在
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!平安時代、健気な男装女子のハードなラブストーリー
昔々の平安時代。
貴族に遣える少年従者、朱鷺の正体は実は女性。
記憶をなくしていたところを拾われて、以来お勤めに励む健気な女の子です。
そんな朱鷺の兄貴分は、遣える主人の甥に当たる鷹晴。
身分の違いはあれど、気の合っていた二人ですが、ある時から鷹晴の態度が一転。
妙によそよそしくなったのですが……それは朱鷺のことを、意識しているからです!
朱鷺が女の子と気づいて、以来気になって仕方ない鷹晴。
しかし溺愛しようにも朱鷺が性別を隠してる以上、気づいていることも胸の内も打ち明けられません。
このもどかしさこそが、このお話の売りです!
しかし本作は、ただのドキドキラブラブ物語ではありません。
朱…続きを読む - ★★★ Excellent!!!記憶を失った男装少女に、熱い視線は向けられる。
時は平安。貴族に仕える少年従者の朱鷺。彼には、ある秘密がありました。
いえ、正確にはこう書くべきでしょう。
彼女には、ある秘密がありました。
実は朱鷺。格好こそ男性のものですが、実はれっきとした女性。
しかも、幼い頃の記憶をなくしていて、正確な素性もわからないという訳ありです。
にもかかわらず、そばに置いてもらえるばかりか特別可愛がってくれる主人やその奥方様には、返せないほどの大恩があるのです。
そして、朱鷺のことを特別気にかけている者がもう一人。
主の甥っ子の鷹晴が、朱鷺に熱い視線を送っているのです。
ただし、少年従者ということになっている朱鷺に思いを伝えるのは簡単なことではありません…続きを読む - ★★★ Excellent!!!土佐日記には描かれなかった、若人たちの苦悩と冒険と恋慕
本作は、紀貫之の従者の男装少女・朱鷺と、貫之の甥・鷹晴を中心とした、呪いと愛の因果の絡む歴史ファンタジーです。
実際に『土佐日記』の中にあるエピソードの裏側を埋めるような形で、物語が組み上げられています。
メインとなるのは、失われた朱鷺の記憶と、立ち寄った村で襲ってきた物の怪と、鷹晴と共に受けてしまった呪いの謎。
ホラミス要素のあるストーリーに加えて、鷹晴に信頼を寄せる朱鷺と、朱鷺が少女であることに気付いて密かな想いを寄せる鷹晴のもどかしい関係性が、彩りを添えます。
記憶を掠める村の風景、朱鷺が持っていた櫛、髪の物の怪……
散りばめられた伏線がかちりと嵌った瞬間の気持ちよさと言ったら!
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!失われた記憶の先に待つ、せつなくも美しい和風恋愛ファンタジー!
紀貫之の『土佐日記』を大胆かつ幻想的に再構築し、ホラー風味に味付けした歴史ファンタジー作品の傑作です。
作品の最大の魅力は記憶を失くし、少年従者として紀貫之に仕える少女と、彼女を見守る貫之の甥の瑞々しくもどこか危うい関係性です。
男装する少年を常に優しい目でみる男の頼もしい姿に、胸が高鳴ること請け合い。そこは糖度120パーセントの作者さま作品。
けっして裏切りません。
さて、嵐にあい、村に漂着して、不気味な「物の怪」と出会ってから物語は佳境に入り、独特の緊張感を漂わせながら進んでいきます。
作者さまとしては珍しい志向の作品で、その意味では、過去作品とは異なる新鮮な綾束乙様作品を読むこ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!謎多き男装の少女は記憶を取り戻し、幸せもつかむことが出来るか?!
毎年この時期、私は『綾束 乙』御大のカクヨムコン参加作品から一年分の糖分を摂取しております。綾束さんの作品といえば、ときめきメガ盛り、キュンマシマシ、お砂糖の絨毯爆撃でお馴染みですから。もう周知の事実かと思います。
が!
本作っ!
少々甘々が控えめなのでは?!
そう思った方も多いのではないでしょうか。ええ、私もその一人。
綾束御大もですね、今回はちょっと控えめかも、みたいなことをおっしゃっていたわけです。
ですが!
ですが皆さん安心してください。
出てる出てる出てる。
滲み出てる!染み出てきてるよ!甘いの、染み出てきてるよ!
もう私くらいになるとわかるから。
染み出てきてんな、滲み…続きを読む