どんな魔物もテイムできるスキルで雌ハーレムを作る

KArin

第1話 ラミア

 今日は高校入学式、先生にも偏差値高いからやめとけと言われたけど何とかギリギリで滑り込めた。


 かわいい女の子の制服を眺めながら今後の高校生ライフのスタートを送るはずだった……




「……どこ?あれっ……」



 周りを見渡すが誰もいない森の中にいるようだ。



「誰かいませんかー?」



 高校校舎の中を歩いていたはずなんだが……

 とりあえず誰かいないか叫びながら周りを歩いてみる。



「あっ、良かった。すいません………はっ?」



 僕は人影を見つけ、近寄ろうとしたが思考がフリーズし、体が硬直する。


 声をかけようとした女の人は、よく見ると下半身がうねうねしていて、まるでヘビのようになっていた。



「うわっ!化け物!」



 そのヘビ女は僕が見つけた時にはすでに僕を見つめていて、スーッとエスカレーターに乗っているように変な動きをして近づいてきた。


 僕はびっくりして尻もちをついてしまった。

 立ち上がれない。

 僕の足が言うことを聞かなくなっている。


 ヘビ女は僕を見てニヤニヤしながら近づいてくる。

 体が震え、歯がカタカタと音を立てる。

 僕はどうすればいいか考えることができず、少しづつ後退りすることしかできなかった。



 ヘビ女は僕の周りを回り始めた。



「何なんだよ……痛っ!」



 首筋に激痛が走る。


 手で痛い箇所を押さえようとしたが手が動かない。

 体にヘビ女の下半身が巻き付いて身動きが取れなくなっていた。



「僕を食べるのか………」



 そのヘビ女は僕の怯える顔を見て、頭を撫でてくれた。

 よく見るとすごく美人だ。

 ヘビ女がニヤリと笑うと尖った牙に赤い血がついていた。



「た……助けてくれ……」



 次の瞬間ドと心臓が高鳴った。



「うっ……」



 体が熱い。


 すると、体の締め付けがフッと和らぎ、首筋をピチャピチャと舐める音がする。

 見ると先程のヘビ女が傷口を舐めていた。



「ひぃっ!」



 僕はびっくりして地面に倒れ込み、四つん這いで逃げようとした。


 後ろからヘビ女がついてくる音が聞こえる。



「く…来るな……」



 ヘビ女の音がしなくなった。

 振り返るとヘビ女はその場で立ち尽くし何かを待っているようだ。


 何かおかしい。



「伏せろ。」



 ヘビ女は地面に全身をつけてひれ伏した。



「言う事を聞くのか……何なんだよ一体……どういうことだよ……」



 ヘビ女に恐る恐る近づくが襲ってくる様子はない。


 ひれ伏すヘビ女の顔を触ってみるが何もしてこなかった。



「立て。」



 ヘビ女はヌルっと不自然に立上り、ぼくの前に立った。



「お前はなんだ。」


「私はラミアです。」



 頭にキンッと声が響いた。

 このラミアと名乗るヘビ女は口が動いていない。

 頭に直接響いているのか。



「ラミア、なんで僕の言うことを聞く。」


「わかりません。」


「僕を襲っていたんじゃないのか。」


「食べるつもりでしたがあなたの言うことを聞く必要があると感じました。」


「言うことを聞くか……僕のことを襲わないんだな?」


「襲いません。」


 僕はラミアの肌に触ってみた。上半身は人と同じだ。



「何してもいいの?」


「構いません。」



 僕はラミアのヘビの体をペタペタと触ってみた。

 下半身は鱗のようなもので、ザラザラとしている。


 僕はゴクリと生唾を飲み込んでラミアの上半身へ手を滑らしていく。


 触っていいのかな……。

 ラミアの前に突き出た胸は大きく、しかも何も着ていないから丸見えだ。


 僕は恐る恐るその先端を触ってみた。



「んっ……」


「ご、ごめん!」



 ラミアは触った瞬間体をピクッと震わせたのて僕もびっくりしてしまった。


 膨らみを両手で撫でる。

 柔らかくてあたたかい。

 こんなに柔らかいんだ。


 初めての感触に感動しながらラミアの胸を堪能した。

 


「目を瞑って……」


「わかりました。」



 目を瞑るラミアの唇に少しづつ近づいていき、唇を合わせた。


 プルンとして柔らかだ。

 キスをしながらラミアの体を撫で回した。


「このあたりには人はいないの?」


「人が住む所を知っています。」


「僕をそこに連れていって。」


「わかりました。」


 そう言うとラミアはスルスルっと動き始めて森の中を進んだ。


 ラミアの後をついていくと急に止まった。



「ゴブリンがいます。

 どうしますか。」


「倒せる?」


「はい、容易いかと。」


「それじゃ僕が危なくなったら助けて。」


「わかりました。」



 僕は前方に見える緑色の肌のゴブリンに近づく。



「止まれ!」

 


 ゴブリンは体をビクッと震わせてその場に止まった。

 言うことを聞いたようだ。

 近づいてゴブリンの体を確認する。

 背は僕と同じくらいで腰に何かの毛皮を巻いていて、痩せている。

 木の棒を持っているからこれで殴るのだろう。



「ついて来い。」



 ゴブリンを前で歩かせているとしばらくして突然立ち止まった。



「なんだ?」



 ゴブリンは周りをキョロキョロして僕を見つけるとニヤッとわらい、木の棒を振り上げた。



「ラミア助けて!」



 手を交差して目を瞑ったが痛くない。


 目を開けるとラミアが下半身でゴブリンを押さえつけていた。 



「大丈夫ですか?」


「ああ。どうして言うことを聞かなくなったんだろう。」



 ゴブリンとの対峙を思い出してみる。



「遠かったからか……」



 今度はゴブリンの肩に手をおいて話しかける。



「僕の言うことを聞け。」



 暴れていたゴブリンは抵抗をやめた。



「ラミア、もういいよ。」



 ラミアの拘束を解かれても襲いかかってくることはなかった。


 ラミアもいつか言うことを聞かなくなり襲ってくるだろうか。

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