第26話 ムールの街
「オスカル様、どちらへいってらしたんですか……一人で心細くて……」
目から液体を流しながらうずくまってしまったエーヴを抱き寄せ、仕方がないのでもう一度交尾してやった。
満足そうにするエーヴを抱きながら、グリーンリザードを再び走らせた。しばらく進むと、魔物たちが守るように集まっている場所が見えてきた。
その場所はサトウがいるに違いなく、そこにいる魔物たちはサトシ様にテイムされたものだろう。テイムされた魔物たちは意思疎通が可能なため、私とも互いに敵対することはない。
魔物たちの包囲網を抜け、中心へと歩みを進めると、遠くに大きな大樹が見えてきた。あれがサトウが変わった姿に違いない。
大きな木を眺めながら歩を進めると、一人の女性が近づいてきた。その同時に、数人が私を取り囲むように位置を取った。
「勇者オスカル……。どうしてあなたがここに?」
この女性はオスカルの記憶に残っている。レダという名前だったはずだ。
サトウたちと共にこの大陸の魔物を討伐していた時、オスカルのメイドとして仕えていたが、いつの間にかオスカルのもとを離れ、サトウの下で働くようになった。
私の中で、オスカルの嫉妬心が高まり始めている。
「魔王についてサトウ様に聞きたいことがあって来た。」
「サトウ様はもう話せる状況ではありません。サトウ様のことは私から話しましょう。」
レダがそう言った途端、私たちを取り囲んでいた者たちはすばやく姿を消したのが感じられた。
「魔王の魔力のこと、サトウ様がどうしてこうなってしまったのかを知りたい。」
「魔王は何もしていないわ。何もしていないけどサトウ様の中の魔力を狂わされたと聞いています。ただ、サトウ様の前に現れただけだと。
サトウ様はあなたと別れた後、魔大陸へ私魔王幹部を何匹か討伐し、多くの人を救いました。」
魔王は何もしていない。
何をしたのかわからないといったほうが正しいか。
他人の魔力を自在に操れるのか。
「私達の知っていることは多くないのです。私達はサトウ様を見守ることしかできません。」
私の前で暗い顔をして俯きながら話すレダと言う少女。
私の中のオスカルがこの女をむちゃくちゃにしたい感情をどんどん高めていく。
「そうか、ならここにいてもしょうがない。私とこい。」
「は?」
レダが俯いた顔を私に向けようとした瞬間にレダの横に私はすでに移動し、その肩を両手で抑え込み、首筋に噛み付いた。
「やめて!私はもうサトウ様のものなの!」
抵抗するレダの肩から手を離すとと、レダは光を失ったような目で、私のほうを見た。
「あなたとご一緒させていただきます。」
私もなぜそんなことをしたのか理解できなかったが、どうやら内に秘めたオスカルの感情に身を任せたようだ。
「オスカル様……」
心配するエーヴを無視して、これまで進んできた道を再び戻ることにした。
街についたのでエーヴの吸血魔法を解いて、再び露出の多い服に変えてやる。
「オスカル様、エーヴはどうしてあのような男を誘うような恰好をしているのでしょうか。」
「俺は、女で遊ぶ勇者として認識される必要があるからだ。」
「そうですか、下衆な勇者ですね。」
レダはそう言うと、街道の真ん中で上着とスカートを脱いで真っ白な下着姿だけになった。
エーヴと違い、堂々と自分の素肌を露出させている。
「オスカル様、私は仕方なくこうしているだけであなたが私をジロジロ見ないでください。」
私は二人を両脇に抱えて露出している素肌を撫でながら歩くと、レダは顔を少し赤くした。
あんなことを言っているがどうやら見られることに興奮しているようだ。
街道の真ん中を視線を集めながら歩いていると通信の魔道具である指輪に反応があった。
(オスカル様、強い魔物を見つけました。)
カロルから連絡があったため、すぐに勇者庁へ向かった。
「これはこれは、レダ、お久しぶりです。その恰好は……」
「そんなに、いやらしい目で見ないでください。」
レダはオスカルのメイドだったから当然、勇者庁も把握しているか。
「オスカル様、魔物は北東の火山を根城にしているサラマンダーです。」
サラマンダーといえば火の精霊と近い魔物だ。確かとても小さい魔物だったはずだが。
「通常のサラマンダーよりも大きく、操る炎も強力なようです。捜索チームの第一班が案内を担当します。」
「わかった。サトシ様にご報告する。」
(サトシ様、ルイーザです。強い魔物を見つけましたがいかがいたしますか。)
(わかった。僕も行くよ。ちょっとまっててね。)
(承知いたしました。)
久しぶりにサトシ様のお声を聞いたら体の芯の部分が熱くなった。
「オスカル様、痛いです。」
知らず知らずのうちにレダとエーヴを強く抱きしめていたようだ。
サトシ様の拠点にてサトシ様と合流する。
「ルイーザ、お待たせ。その二人は……」
「はい、私の側近です。」
「そうなんだ。それにしてもその恰好は……」
「勇者オスカルは日常的に女遊びをしていたとお聞きしておりましたので、私がオスカルを乗っ取っていることを悟らせないためです。」
「それで……」
「サトシ様のお気に召しましたら、いかようにも扱っていただいて構いませんので。」
「う、うん。」
「この方がオスカル様のご主人様……あっ、オスカル様っ」
サトシ様はエーヴのほうが好みのようだ。
私もエーヴの感度がある場所を念入りに撫でてやり、サトシ様に見せてやる。
サトシ様はイド、ヴァランテーヌ、ノアを引き連れ、私たちとともにシャームの街の東門から火山へと向かうことにした。
サトシ様は私たちの分まで騎乗用のグリーンリザードを呼び寄せてくれた。
イドが私のことをチラチラと目で合図してくる。
私に体を触ってほしいのだ。
いや、正しくは私に体を触られているところをサトシ様に見てほしいのだ。
仕方ないのでイドの服を脱がせて下着姿にした後で、グリーンリザードに一緒に騎乗する。
「なんで服を脱がせるんだ。」
「このほうがサトシ様に見ていただけますよ。男とはそういうものです。」
「そう……」
「レダとエーヴはそちらに乗りなさい。」
「はい、オスカル様……」
狙い通りサトシ様はイドの体にくぎ付けになっている。
「ちょっと、レダ、何するのよ、触らないでよ。」
「ばかね、こうでもしないとオスカル様はあなたのこと見てくれないわよ。」
「でも……」
それぞれの意図が絡み合いながら、森の中を進んでいく。
私の前を進むレダは抱きかかえるエーヴの上半身の下着まで外してしまい、裸の状態になっている。
私たちが進むのは、街と街を結ぶ平原の中の道であり、時折魔物が現れることもある。
ノアとヴァランテーヌは、時折現れる魔物を退治しながら、その道を北に向かって進んだ。
しばらく進むと、遠くの山頂から煙を上げる火山が見えてきた。
「もうすぐ日が暮れます。今日はこのムールの街で宿泊しましょう。」
私達がたどり着いたのは所々から湯気と煙が立ち上る街だった。
「このムールの街は鍛冶が有名で、武器を作りに冒険者がよく訪れるわ。」
レダは得意げに下着姿のまま私に体をあたるか当たらないかの絶妙な距離感で街を案内してくれた。
エーヴは上半身裸のため、私に体を押し付けて通り過ぎる人の目線から体を隠している。
レダの言われるがまま、宿を決める。
「お客様いらっしゃいませ。
レダ様お久しぶりです。サトウ様から頂きました資金を使い、最近地下に温泉を掘りまして温泉のお風呂に入っていただけるようになっております。」
「やっぱりこの匂い温泉なんだ!さすがサトウさんわかってるなー。」
サトシ様は温泉というものが好きらしくとても興奮しているみたいだ。
部屋に入ると靴を脱がないといけないらしく裸足でその部屋に上がった。
「エーヴ、サトシ様はお前のことがお気に召しているようだから、お風呂にご一緒してこい。」
「えっ、そんな……オスカル様は一緒にいかないのですか……」
「私はサトシ様が入られた後に入る。」
私はそう言って今のうちからエーヴの体の感度を上げておくためエーヴの弱い所を重点的に揉んでやった。
「あっ……オスカル様……サトシ様とお風呂入ってもいいんですか?どうなっても知りませんよ……」
「あぁ、期待している。」
「……」
入念に体を仕上げたエーヴをサトシ様に送り届けてレダと二人になった部屋で待つ。
レダは部屋着のようなものに着替えて私のすぐ後ろに腰かけた。
レダもサトシ様にかわいがっていただけるように今のうちから感度を上げておこう。
しばらくすると足をガタガタと震わせるエーヴが部屋に戻ってきた。
「オスカル様のバカ……もう知らない……」
帰ってくるなり布団に入ってしまったので、今度はレダをサトシ様の部屋に送り届ける。
いつも冷静なレダも時間をかけて体を仕上げたので、荒い息遣いで部屋を出て行った。
たしか、本にはこういう時は優しくしてやる必要があると書いてあった。
私はエーヴの後ろから優しく抱きしめて頭を撫でてやった。
「オスカル様……」
エーヴは目から液体を垂れ流して私の方を向なおして、唇を重ねてきた。
交尾がしたいということか。
サトシ様にしてもらったばかりなのに好きなやつだ。
エーヴはサトシ様から頂いた体液をまき散らしながら私の上に跨りいつもよりも激しく体を動かした。
次の日の朝までレダは帰ってこなかった。
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