第25話 エーヴ
領主の館の資料室は勇者局よりも狭かったため、早く調査は終わりそうだ。
私が書物を探して、テーブルでその書類を読もうとしたが、まだ、案内役が部屋にいることに気がついた。
これはいけない。
「エーヴ、来なさい。」
「はい。」
近寄るエーヴの服を無理やりに剥いでいく。
「オスカル様……恥ずかしいです……」
エーヴを胸と下半身を隠す下着のみにして、私の横に立たせた。
私が調査をしている間も、この兵士に私がオスカルではないことを悟られてはいけないからな。
「あの……オスカル様……食事の準備をしてきます。その……私の服を返していただけませんか?」
「だめだ、そのまま行ってこい。」
「えっ……はい、わかりました。」
エーヴは手で胸や尻を隠しながら兵士の横を変な歩き方で歩いていった。
兵士は私の監視をしているはずなのに、ずっと変な歩き方をしているエーヴを目線で追っていた。
確かに、これは良い策だ。
エーヴが注目されることで、私に対する関心や視線が薄れる。
私は魔王の書物を一時的に脇に置き、人間の男性の心理に関する本を読むことに決めた。
「君、ここで服を作れる者を呼んできてくれ。すぐにだ。」
「かしこまりました。」
兵士に申し付けると甲冑をガチャガチャと音を立てて部屋から出ていった。
「連れてまいりました。」
連れてこられたのは5人ほどのメイドだった。
「あの……私たちは何をすれば……」
「オスカル様、昼食をお持ちしました。」
「きゃ!なんて格好しているの!」
「すみません……オスカル様にこの格好でいろと……」
「あなたたちには、このエーヴに似合う服を作ってもらいたい。」
私はそう言って、集まった女たちに服の要望を出した。
「そんな破廉恥な……」
女たちが部屋を出ていき、兵士にエーヴの下着姿を見せていると先ほどの女たちが戻ってきた。
「あの……これでよろしいのですか……?」
私はその衣服を手に取り、確認する。
「エーヴ、着てみなさい。」
「はい……」
エーヴは服を受け取ると部屋から着替えに出ようとした。
「ここで着替えるんだ。」
「兵士の方もみえますし……」
「ここでだ。」
「わかりました。」
エーヴは観念したのか、兵士の方をチラチラと確認しながら服を着始めた。
「おい、この下着は脱がないとだめだ。」
「そんな……」
エーヴが恥ずかしがって時間がかかるので私が服を脱がせることにした。
「オスカル様、恥ずかしいです……」
私は兵士にエーヴの姿を見せてやりながら胸を隠す下着を外し、そのオーダーメイドの服を着せてやった。
「いいじゃないか。」
「恥ずかしい……」
エーヴの着た服は頭を覆う黒の艶のあるシスター服でありながら、スカートの丈が短く、歩いているだけパンツが見えそうであり、トップスは乳首の部分から下が切り取られており、乳首が見えそうで見えない、へそ出しの状態だ。
その後、何日か書物を読み、領主の館の本は読み終わった。私を監視する兵士が日に日に多くなり、今では10人もの兵士が部屋の隅で私ではなくエーヴを観察していた。
エーヴのオーダーメイドの服は外用にして、部屋の中では下着も外させている。
「随分と時間がかかってしまったな。」
「オスカル様、服を着てもよろしいでしょうか……」
「ああ、いいぞ。」
私はそう言うと、エーヴの後ろから体を隠している両手を掴み、その手で隠された部分を兵士に見せてやりながら唇を重ねた。
▽
勇者局、シャーム領主、その書物から得られたことは魔王は魔の祖であるということだ。
私の印象だと魔力そのもの、すべての魔力を総括する姿が思い描かれた。
サトシ様が言っておられたサトウのことを調べる必要がある。
サトウは魔王によって魔力を狂わされたと言っていたから何かヒントがあるのかもしれない。
私は周囲の男達からの目を、くぎ付けにしているあわれもないない姿のエーヴのスカートを、まくり上げるように尻をつかみながら街道を歩いた。
私はヴァンパイアの固有魔法として吸血魔法が扱える。
それは私の血を武器に変化させたり、服に変化させたり、と様々な物に変化させることができるが、霧状に変化させることで幻覚や索敵を行うこともできる。
シャームの街から森に入り、吸血魔法で霧を発生させると、私の体から赤い煙幕のようなものが森の中に広がっていった。
ついでに私の腕に体を擦り付けてくるエーヴの体にも、吸血魔法で頑丈で薄い服を覆わせて身を守ってやった。
「オスカル様、ありがとうございます。なんだかオスカル様に包まれているようですわ。」
エーヴは私の作った真っ赤な服に、頬ずりしてうっとりとしている。
森の中の状況を把握した後、私達が乗れそうな魔物を幻覚でこちらに誘導する。
「オスカル様、何か来てるみたいです。」
警戒するエーヴを無視し、無防備に近づいてきたグリーンリザードの横へ移動し、首筋に噛み付いた。
吸血すると、相手は魅了状態になり、私の言うことを聞くようになる。しかし、魔力が高いか魔法耐性がある相手は、この効果を抵抗することがある。
グリーンリザードのような魔物なら、容易に魅了できるだろう。
「エーヴ、このリザードに乗るぞ。」
「えっ、大丈夫なんですか。」
エーヴがおどおどしているのを抱き上げ、リザードに飛び乗った。その後も、エーヴは私にしがみつき、離れないまま、索敵しながら森を北へ進んだ。
日が暮れかけたため、一時的に野営することにした。私には睡眠が不要だが、エーヴは疲れているようだった。
リザードから降りた後、エーヴは亜空間収納から薪を取り出し、火を起こして食事の準備を始めた。
「オスカル様は、人前でないと私のことを触ってくださらないのですね。」
「なんだ、触ってほしいのか。」
「……」
あんなに人前で嫌がりながら触られていたのにわからない奴だ。
退屈なので鍋を出して亜空間収納から様々な具材を出して煮始めたエーヴの後ろから、抱きかかえるようにエーヴの体を撫でまわしてやる。
人間がどのあたりを撫でると嬉しいのかを観察しながら強弱をつけて撫でた。
エーヴは特に乳房、尻、生殖器のあたりが気持ちいいようで時間をかけてやると生殖器から液体を垂れ流しはじめた。
どうやら交尾がしたくなったようだ。
「オスカル様、もうだめです……私……」
興奮しはじめたエーヴの体を再び撫でまわして、さらにその感度を探っていると、体が痙攣し始め、口からも液体を漏らし始めた。
エーヴは自分で服を脱ぎ始め、私の服も脱がせていった。
私の前でも脱ぐのを嫌っていたのに交尾のときはいいようだ。
交尾に夢中になるエーヴを観察してどのような体勢で、どのような動きがいいのかを探った。
交尾に時間がかかったため、エーヴが準備していた鍋はすっかり焦げてしまい、食べることができなかった。
疲れ切ったエーヴをテントに運んだ後、狩りに出かけることにした。狩りで得られる魔素の一部はサトシ様にも分け与えられるため、狩りをすることが望ましい。
移動中は幻覚を使って魔物を遠ざけてきたが、この森にはオーガがいるらしい。
グリーンリザードに乗り、より強力なオーガを求めて進んでいくと、真っ赤なオーガが目に入った。
吸血魔法を使って長槍を生成し、オーガの剣の射程を超える距離からグリーンリザードを加速させる。槍を振り上げ、振り下ろす瞬間に槍を伸ばし、そのスピードをさらに上げる。
リザードの速度、槍を振る速度、槍が伸びる速度が合わさり、オーガはそれに追いつけず、核を破壊される。核を失ったオーガは動けなくなり、収納用の指輪に収められた。
魔物の遺体は街で高値で取引される。オーガやオークのような魔素を多く含む存在を次々と倒し、その魔素で自分自身も強くなっていく。
日が昇り始めたので、テントへと戻ることにした。
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