第13話 謎の老人と薬製造所

「大丈夫?コリーナにひどいことされた?」


「いえ……そんなことは無いんですが、うう……」



 コリーナがいつの間にか部屋から姿を消していた。

 さっきまでそこにいたはずなのに……。

 イドと名乗るエルフに、服をかけてあげたが泣き出してしまった。



「とりあえず、ここに座ってよ。」


「はい……」



 ベッドに腰かけても、ずっと泣いているので腰を擦ってやる。

 僕の服をかけてあげたが、服は破れ、前は開けたままのため、泣いて体を揺らすたびにその大きな胸が目に入ってしまう。


 よく見ると体中泥だらけだ。

 亜空間収納に入れてあった濡れタオルを出して顔を拭いてあげた。



「あっ……ありがとうございます。」


「ううん、何があったの?」



 イドは少し間を置いて、盗賊に捕まったこと、奴隷商に売られてその後コリーナに買われたことを泣きながらゆっくりと話してくれた。


「それは大変だったね。

 ここならもう大丈夫だから。

 よかったらここに住んでもらってもいいからね。」



 イドはその後、急に胸元とスカートの丈を気にしだして、部屋を飛び出してしまった。

 僕があまりいやらしい目で見ているのがバレたのだろうか……。

 失敗した。


 あんなにひどい目にあったのに僕までそんな目で見てしまうなんて。

 もう世の中の男はそんな奴ばっかりだと思われたに違いない。

 でもあんなに揺れてたら見ちゃうって……。


 そんなことを考えていたら数日前に盗賊から助けたエルフのヴァランテーヌがメイド服で入ってきた。



「サトシ様、お部屋の掃除をさせていただきます。」


「うん、頼みます。」



 朝からもう2回目の掃除だ。

 1回目は雌のゴブリンが入ってきた。


 ヴァランテーヌはスカート丈が短いため、僕が座っているだけなのにチラチラとパンツが見えてしまう。


 僕が視線を向けてしまうと気を使って触らせてくれようとするので僕はわざと他事をするようにしないといけない。


 ずっとドキドキしっぱなしだ。

 僕の部屋なのに……。

 しかし不思議なもので、どうしてもチラッと見えるパンツに目が行ってしまう。


「サトシ様、見ましたね。

 触りたいですか?

 私はいつでも大丈夫ですので……」


 ヴァランテーヌは恥ずかしそうに丈をまくり上げてスカートの中を見せてくれた。


 僕はダメだとわかっていてもそのままヴァランテーヌを押し倒して自分の欲求の捌け口にしてしまう。


 ヴァランテーヌは長身でブロンドの髪、細身で胸も控えめのお姉さんだ。

 こんなお姉さんが恥ずかしそうにスカートを捲り上げたらだれでも我慢できないと思う。

 きっと僕だけじゃないはずだ。そう信じたい。


 ヴァランテーヌはずっと僕とキスをしてきて離さない。

 キスが好きなのかな……。



 昼食に食堂に行くと10人のエルフ達がずらっと横に並んでいた。


「えっ……」


「サトシ様、これから10日間ここで働くことになった者達です。」


「「「「「「「「「「よろしくお願いいたします。」」」」」」」」」」


「よっ、よろしくお願いします……」


 エルフの横にはゴブリンなどの雌メイド達、コリーナ、オクトー、カーラ、イド……


 この家にそんなにメイドはいらないよね、とは言えず10人のエルフを食事を食べながらチラチラと見る。


 どのエルフも美人だ。

 やはりエルフは誰でも美人なのだろうか。

 男の人はいないのだろうか。謎だ。


 10人のエルフ達はお試しで働いているらしく、いやだったらどこかに行ってしまうらしい。

 それはそれで何だか悲しいな。




 ……と思っていたけど10人のエルフは10日経過してもこの家で相変わらず家事をしてくれている。

 嫌ではなかったということか。

 エルフを代表してイドが僕に話しかけてきた。


「サトシ様、このまま家に無料で居候するのは申し訳ないので森に狩りと採取に行こうと思います。」


「そうしたいならそうしたらいいよ。装備品は僕が用意するから一緒に買いに行こう。」


「えっ、サトシ様が……あっ、ありがとうございます!」



 10人のエルフたちは驚き、ざわめいている。


 装備品を揃えに武具の店に入る。

 エルフたちは短剣と弓、皮装備をメインに、3人が魔法ローブを上から羽織った。


 あとは収納指輪、食料、野営道具、ポーションなどを大量に揃えた。



 森に入るとエルフたちはそれぞれうまく連携して魔物を狩っていった。


 敵を見つけるスカウト役、弓を使う者、魔法を使う者、指示役と大きく分かれて狩りをしていった。



「森の中ではいつも狩りをしていましたの。今日久しぶりにまた狩りができてとても嬉しいです。」


 狩りには参加せず、イドが僕の手を取って誘導してくれる。

 イドは胸が大きすぎて僕の体に当たってしまうので、僕は狩りに集中できない。


 エルフたちは風魔法を使ってジャンプ力を強化し、ヒョイヒョイと木から木へと飛んでいきながら移動をしている。


 僕が徒歩だと遅れるため、途中からキティタイガーを呼んで、イドを前に乗せてついていくことにした。


 仕方がないことだがイドの柔らかな体と密着してしまう。

 みんなが真剣に狩りをしているけど、僕はいい香りとその柔らかさを楽しんだ。



「うふふ、サトシ様、こんなに大きくなって。あとでお相手させていただきますから、お待ち下さいね。」



 と言われてしまう始末だ。

 なんだか恥ずかしい。



 狩りは順調に進み、昼食にすることにした。



「サトシ様、準備していただいたこの弓はすごいですね。これまで自分たちで作っていた弓とは威力、飛距離が段違いです。」


「それは良かったね。たしかトレント材だったかな。」



 エルフたちは料理を作り、収納してきたのでみんなで食べた。



「きゃあ!」



 1人のエルフが悲鳴を上げた。

 僕は急ぎその悲鳴の方向へ走り駆けた。



 その先には白髪独眼のじいさんがエルフの1人の体をまさぐっていた。



「ほっほっほ。こんなにエロいエルフがたくさんいるとは今日はラッキーじゃな。」



 僕が剣を抜いて近づいても警戒する様子もない。

 エルフは顔を赤くして抵抗しているが、じいさんの手をどけることができずに唇まで奪われている。



「いや……サトシ様……見ないで……」



 僕は全力で距離を詰めてじいさんの首を刎ねるつもりで横に薙ぎ払った。


 しかしそこにはエルフだけが残っておりじいさんはどこかに消えてしまった。



「おお怖い怖い。お主、力は相当なものじゃが、まったく扱えておらんじゃないか。」



 僕のすぐ背後で声がして振り向きざまに斬りつけるがまたも空を切った。

 体のステータスは相当に上がっているはずだ。

 確実にじいさんの体をとらえていると思ったのに。



「こんなにたくさんエルフがいるんじゃ。

 一人くらいくれんか。」


「このエルフたちは物じゃない。」


「そうか、そうか、なら貰っていくぞ。」



 次の瞬間、じいさんの居た場所をブンッという音と風圧ともに何かが通り過ぎた。



 ノアの大剣だ。


 ノアは大剣を振り回してじいさんに何度も斬りつけた。



「少しは骨のあるやつが現れよったな。

 こいつオーガ、いや、鬼人か。

 それにしても少年、テイマーだったとはな。

 道理で戦い慣れていないわけだ。


 しかし、いいことを知った。

 お主の力、借りるときが来るかもしれん。

 今日のところはエロエルフはお預けにしておこう。」



 そう言うとじいさんはフッと姿を消した。

 高速移動か転移のスキルなのだろうか。



 じいさんに弄られたエルフが地面に四つん這いになって息を荒げている。



「サトシ様、私……もうだめです。

 この場でご寵愛ください。

 体が熱くなって仕方ないんです。」


 僕は他のエルフが大勢見守る中、押し倒されて色々と弄ばれた。


 僕はそのまま、何人ものエルフに搾り取られ、くらくらしていたのでイドに抱きかかえられて街に帰った。


 あの爺さんは何者だったのだろうか。

 僕はエルフたちにお風呂に入らされて体をいいように洗われながら考えていた。



    ▽




 エルフたちは薬生成の技術に秀でているようで採取した薬草からポーション、ハイポーションの製造を始めた。



「ポーションなどの回復薬は冒険者の消耗品として需要があるため、いつも品薄のようです。

 エルフの作る薬は他よりも効果が高いようで、同じ値段だとすく売り切れてしまいます。」



 コリーナが僕の耳元で息を吹きかけながら話した。

 どうして耳元で喋るのか。

 気持ちいいじゃないか。



「この屋敷から少し離れたところにエルフの薬製造所兼住処の建物を建てようと思っています。」


「そっか。ちょっとここでは狭くなってきたからね。」



 廊下を歩いているだけで誘惑がすごすぎるから是非そうして欲しい……

 お風呂に入ろうとすると、大体誰かが着替え中という状況だ。むしろ裸で待ってるんじゃないだろうかと疑うレベルだ。



 何日か経つと建物が完成していた。

 僕のイメージでは何ヶ月もかかるイメージだが建材を軽々と持ったり、亜空間収納を使ったり、土魔法で基礎を作ったりできるから、そりゃ早いよね。


 ヴァランテーヌとイドが僕を取り合うように製造所の案内をしてくれた。


「サトシ様、このポーションを入れる容器は私が考えたんです。土魔法の精度を上げて同品質の容器を作れるようになったんですよ。」


 ヴァランテーヌが見せてくれた容器は陶器のようなもので、軽く薄く作られており、携帯に適していそうだった。



「私の開発したのは容器の蓋です。これまで流通していたのは植物の葉を使ってツルで巻きつけるか、金属で蓋をするものがあったのてすが、劣化しやすい、高価というのがネックでした。それを魔物の皮をなめしてヒゲで縛り、安価に長期間保存できるようになりました。」



 使われていたのは海の魔物の皮のようで水密性が高い作りになっていた。



「二人ともすごいね。

 僕にはできないよ。」



「えへへへ。

 ちゃんとご褒美お願いしますね。」



 今日の夜も搾り取られることが確定した。


 製造所は屋根の低い工場のようなところで、作業台が大量に並べられていて一人一人のエルフがそれぞれ黙々と薬品を作ったり、容器を作ったりしている。


 作業台はまだかなりの数が空いている。

 今後も増員するつもりなのだろうか。



「サトシ様、ここが私の部屋です。」

「違うわよ。私の部屋よ。」



 2人に案内されたのは扉がズラッと並ぶ中の一室だ。

 これはまるでアパートだな。

 2階建てで、部屋数が30ほどあるだろうか。


 部屋の中は2DKほどあり、4人くらいまでは住めそうである。

 風呂トイレは僕がアイデアを少し出した。

 木で作られたものが多かったので土魔法でポーションの容器のように陶器製にしたのだ。


 魔石を利用して水を出したりお湯を出したりできるし、水の浄化にはスライムが使えるのでシャワーや水洗トイレも設置した。


 共同だがこの世界に湯船に入るのは貴族くらいと聞いていたから、大丈夫だろう。



「サトシ様のお考えいただいた、このお風呂とトイレは最高です。もうここ以外では生活できませんわ。この設備目当てでここに入りたいと言う者までいるほどです。」



 この製造所は僕が制限をかけているわけではないが美人な女エルフしか入っていない。


 製造所の制服が白のシャツとタイトなミニスカート、OLみたいな格好である。

 僕の頭の中を読み取ったのだろうか……


 どのエルフもピシッとした身なりでとても綺麗だ。


 その日の夜はヴァランテーヌとイドの相手をさせてもらってから2人に連れられて夜の薬製造所へ案内された。  


 部屋では2人のエルフが僕を待っていて、艷やかなおもてなしをしてもらった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る