第10話 鬼と蛇

 オクトーをテイムしたおかげで港が大変なことになってしまった……



 僕の顔を見ながら手を繋いで街を興味深そうに歩いているオクトーを時々見ながら、海に返したほうがいいのか考える。



「オクトー、他に家族は居るの?」


「お母さんとお父さんいる。」



 そりゃいるよね。

 とうしよう、また、街が襲われるかもしれない。



「でも海の中つまらない。サトシと一緒にいたい。」


「そっか……」



 今回、冒険者になっておかないと色々と不便なことがわかったので、とりあえず現実逃避して登録をしてもらうことにする。



「あのっ、冒険者登録したいんですがここでいいですか。」


「あっ、ノアさん……ぼ、冒険者登録ですね。」



 ノアに何やら熱い視線を送る受付のお姉さんに登録をしてもらい、登録のネックレスをもらった。



「最初はウッドからです。

 その後、功績によりアイアン、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナ、オリハルコンと上がっていきます。」


「パーティー登録するとパーティーの働きでもランクアップとなります。」


「それじゃノアとコリーナと一緒のパーティーてお願いします。」 


「パーティー名はいかがいたしましょう。」


「えっ…困ったな……コリーナ何かいい名はない?」


「是非サトシ様につけていただきたいです。」


「困ったな……オーガ……おに……ラミア……へび……鬼が出るか……長いな……鬼蛇(おにへび)……うーん、どうかな?」


「私たちだけですごく恐縮ですが……でもサトシ様が付けられたのであればそれでお願いします。」


「ではそれぞれの冒険者証をお預かりして登録しますね。」



 お姉さんはそう言って3つのネックレスに金属製の棒を当てて魔力を流した。

 ノアのネックレスは1人だけ銀色になっていた。

 素材買取する時にランクアップしたんだな。



「はい、これでパーティー登録終わりました。今後は素材買取や依頼達成の際にパーティー名を言っていただくとパーティーの功績として登録できます。」


「わかりました。ありがとう。」




 名残惜しそうにする受付のお姉さんと別れた。



「鬼蛇ランクアップのため、素材を回収して買取してもらいに行ってきます。」


「無理しないでね。」


「はい、ありがとうございます。」




 ノアはそう言うと急いで走っていってしまった。

 張り切りすぎないといいけど……



 疲れたので宿に一旦戻ることにした。


「疲れたね。」



 僕がベッドに横になるとオクトーが吸盤で僕を包みこんだ。



「交尾する。」


「いや……こんないきなり……」



 オクトーは吸盤からヌルヌルの液体を出してきて僕の服もいつの間にか全て脱がされていた。



「主いや?」


「いやじゃないけど……」



 見た目小学生だし……



「ほら、とっとと種出す。」


「そんなすぐには……」


「わかった。」



 オクトーは僕の全身を吸盤で優しく吸い付かせた。

 まるで全身にキスしてもらっているみたいだ。



「あぁ……体がおかしくなりそう……」



「ここから?早く出す。」


「だ……だめ……」



 オクトーは口で僕の体を舐め始めた。



「なかなか出ない。私のも吸ってみる。」



 オクトーは自分の少しこんもりした胸を僕の口に押し当てた。

 すると甘酸っぱい汁が溢れてきた。


 口いっぱいに甘酸っぱい汁が広がって体が熱くなってきた。



それからはあまり記憶にないが見た目小学生年上の女性にいいように弄ばれて気持ち良かった。


 ベッドで横になると吸盤でチュパチュパと全身を柔らかくすってくれる。

 僕は心地よくてそのままオクトーの胸の中で眠ってしまった。



    ▽



 朝起きると体中ベトベトでベッドもぐっしょりと濡れていた。



「うわ……これはどうしよう……」


「主、昨日気持ち良かった?」


「うっ、うん。」



 吸盤で体中を優しく吸われながら考える。



「宿じゃ狭くなったし、新しい拠点を作らないといけないね。」


「はい。私も提案しようと思っていました。

 安全面のことを考えると今のお部屋ではどうしても課題が残ります。

 何件かピックアップしていますのでご覧になりますか。」


 いつのまにかベッドの横で立っていたコリーナが顔を近づけてきた。



「それはすごい。是非見せて。」


「わかりました。その前にそのお体をなんとかしないといけませんね。」



 ベトベトになった体をオクトーの吸盤とコリーナの舌で舐めとってもらい、くらくらしながら服を着た。


 すぐに入れる物件は3件ということで順番にコリーナに案内してもらうことにした。


「それでは一件目の物件です。」


 コリーナに案内されたのは買取所からすぐ近くにある巨大な屋敷だった。



「すごい所だね。」



 門や塀がすでに凄まじい拘りを感じるところで遠くに見える城みたいなのが屋敷だろうか。 


「ここで住むのは勇気がいるね……」


「そうですか?サトシ様であれば全く問題はないと思いますが。」


 長い庭を抜けると青を基調とした3階建ての屋敷にたどり着いた。

 中も装飾が凄まじくヴェルサイユ宮殿?と思うような造りだった。


 実際にヴェルサイユ宮殿みたことないけど……。



「ここはお風呂も大きいですし、みんな一緒に入れますわ。」


 案内されたお風呂はライオンからザーっとお湯が出てる感じで、浴室だけでバスケットの試合ができそうな広さがある。



「これ買えるの?」


「はい、中古なのでいろいろ手直しが必要ですが、200万シーロ(2億円相当)でした。サトシ様の収入を考えればすぐですわ。」


「今すぐは買えなさそうだね。次をお願い。」



    ▽


 次に案内されたのは、港から近い東門から5分ほどの立地だった。

 隣の家は100mほど離れていて、うるさくしても大丈夫そうだ。


 建物もしっかりしていて派手過ぎず快適そうな内装だった。

 毎日陽が沈む様子を庭から眺めることができたら最高なんだが、海沿いに防壁が高く立っているため家からは海を見ることができない。



    ▽



 最後に案内されたのは市街地から徒歩15分の緑がまだ残る区画で、大きなログハウスの建物だった。

 静かな佇まいで、木々から小鳥のさえずりが聞こえてくる。


    

 街の南側に位置する場所で南門が近い。

 森を抜ける街道は西門、港へ続く東門あたりは商店や住宅地が密集していて人気だが南から出るのは冒険者くらいであまり人気がない。


 僕にとっては生業とする森が近いのは都合がいい。

 買取所へもそれほど遠いという位置でもない。



「この家は貴族が別荘として使っていたらしく、贅を凝らした造りではありませんが、建材はしっかりしていています。あまり使われていなかったため使用感も少ないのもいいと思います。」



 コリーナは自慢げに家の中を案内してくれる。

 この3物件の中で一番俺好みだと思っているんだろう。

 僕が贅沢な造りではなく実用性を重視すると最初から推察している。


「コリーナ、この物件にしたいと思うけどお金は足りる?」


「はい。10万シーロ(1000万円相当)なので十分足ります。

 サトシ様はきっとこの物件を選ぶと思っておりました。

 もう仮契約を済ませてあとは支払いを済ませればすぐに住むことができる状態になっています。」


「さすがコリーナだね。仕事が早い。」


「ありがとうございます。」



 コリーナは自慢げに僕の前で手を後ろに組んで目を閉じた。



「えっと……どうしたの?」


「もう、ご褒美のチューです。」


「そっ、そうなんだ……」



 僕はオクトーがじっと見ている前で少し恥ずかしい思いをしながらコリーナと唇を重ねた。



「うふふ、ありがとうございます。」



 チラッとオクトーを見ると、オクトーも手を後ろに組んで目を閉じている。かわいい。



「んー。」


「えっと……」


「んー。」



 僕はコリーナをチラッと見てからオクトーにもキスをした。



「えへへ。」


「コリーナ、宿に行って店主にありがとうを言いにいきたいな。」


「そうですね。そうしましょう。」



 少し冷ややかな目をするコリーナの手を引っ張るとすぐに機嫌が直ったように見えた。いやそう思いたい。



    ▽



「こんにちは、これまで宿泊させていただいてありがとうございました。

 今日でここを出ていきたいと思います。」


「そうですか、また、お待ちしております。」



 受付のお姉さんにはベッドや布団をだめにしてしまったことを謝り、損失代として多めにお金を払った。



 この宿に来たのは転生してすぐのころだった。それほど長く居たわけではないが、目まぐるしい毎日で随分と前のように感じる。


 コリーナと二人で体を洗いあいをしたり、初めて女の人といろんなことをしたり、とても楽しかった。


 今も横で笑ってくれるコリーナに感謝して宿を後にした。



――――――――――――――――


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