概要
死んだら、呪いごと私を食べてくれますか?
~カクヨムコンテスト10【短編】参加作品~
「ねえ、あなた、死ぬの?」
死ぬの? そう言って口元を緩め、残酷に微笑む少女。十五歳くらいの少女は、見たこともないような美しい着物を纏い、その唇は血のように赤かった。
少年は動くことも言葉を紡ぐこともできず、ただ、その少女を見つめていた。
ひらり。
ひらひらり。
あの、薄紅色の花吹雪の舞う季節が、また、やってきた。
あなたに拾われた季節。
私が初めてこの手で狩りをした、最初の季節。
あなたと別れた最後の季節。
あの季節が、ふいと舞い降りる
※この作品は、以前書いていた同名作品(3万文字程度の短編)を1万文字以内にまとめて再構成したものです。