概要
『――お前が十八になったら嫁にしよう』その相手は人食い様でした。
物心ついた頃から、忌一は人ならぬものが見え、その声が聞こえる子供だった。そのため、家族をはじめ周囲から“忌み子”として蔵に隔離されて過ごしていた。
ある日忌一は、家族の食事を盗んだとして折檻されて蔵に閉じ込められるも、大怪我を負う。
瀕死になっている際に黒い狼――のような男に助けられ、握り飯を与えられる。その際、忌一が怯えなかったため、嫁に来いと言われ、『――お前が十八になったら嫁にしよう』と、言われる。
忌一が18歳になった夏、村は日照り続きで食糧不足に陥いり、豊穣の神の使いとされている狼・人喰い様に“嫁=生贄”として、ひと冬越せるだけの米と麦と引き換えに、差し出す話が持ち上がる。“嫁”には、忌み子である忌一に「こういう時こそ役に立て」と命じられ白羽の矢が立てられた。
そうして嫁に出され
ある日忌一は、家族の食事を盗んだとして折檻されて蔵に閉じ込められるも、大怪我を負う。
瀕死になっている際に黒い狼――のような男に助けられ、握り飯を与えられる。その際、忌一が怯えなかったため、嫁に来いと言われ、『――お前が十八になったら嫁にしよう』と、言われる。
忌一が18歳になった夏、村は日照り続きで食糧不足に陥いり、豊穣の神の使いとされている狼・人喰い様に“嫁=生贄”として、ひと冬越せるだけの米と麦と引き換えに、差し出す話が持ち上がる。“嫁”には、忌み子である忌一に「こういう時こそ役に立て」と命じられ白羽の矢が立てられた。
そうして嫁に出され
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