装備購入とエレナの影響

 エレナと別れた後、俺たちはドミトリーに戻った。


「ねえ、ケイさん、今日のエレナさん、どう思った?」


 リリーが無邪気に訊ねてくる。


「うーん、良い人だったと思うけど…」俺が答えたが、その言葉が終わる前に、モモがプイと顔を背けながら突然話し始めた。


「ケイさん、エレナさんの胸、見てましたよね!」


 思わず目を見開いた俺に、モモがぷんぷんした顔で続ける。「だって、テーブルに胸が乗ってたし、目が釘付けだったじゃないですか!」


「え、いや、それは…」俺は焦りながら否定しようとしたが、モモの顔を見た途端、リリーがくすくすと笑い始めた。


「モモちゃん、気にしすぎだよ」


 リリーが冗談めかして言うと、モモも少しだけ顔を赤らめてしまった。


「も、もう、いいです…!」


 モモがふくれっ面でベッドにうつ伏せになった。


 余談だが、その日の夜はモモはまだエレナの胸のことを引きずっているのか、何度も寝返りを打ちつつ、「ケイさんが見てたってことは…私もちゃんと見ておかないと…」とつぶやいていた。


 翌朝、ギルドに向かった俺たちは装備を整えるためのショップに立ち寄った。ショップの内部は様々な装備品でいっぱいで、価格も幅広い。


「おはようございます。ご覧になりたい装備があれば、お手伝いしますよ」

「実は、これからいくつか依頼をこなそうと思っているんですが、装備について相談したいんです」


 店員の女性に俺がそう切り出すと、女性が頷いた。


「もちろんです。特に冒険者としては、装備を整えることが重要です。例えば、軽いレザーアーマーは動きやすく、基本的な防御力もありますし、ちょっとした戦闘や探検には最適です。」

「なるほど…」

「こちらがレザーアーマーで、300ゴルドです。動きやすく、耐久性も十分です。」


 店員が説明しながら、黒いレザーアーマーを示した。肩や胸に装飾が施されており、デザインもおしゃれだ。


 リリーがこのレザーアーマーを試着してみたところ、軽くて動きやすかったらしく、購入を決定していた。


 次に、モモが選んだのは、ミニスカート型のプレートアーマー。こちらは250ゴルドで、見た目はセクシーでありながらも、実用性も考慮されていた。


 俺が選んだのは黒いレザーの胸当てと、動きやすい軽量のブーツがセットになっているもの。

 価格は200ゴルドで、細かな装飾も施されており、戦闘にも耐えうる仕様だった。


 試着してみると、ぴったりと体にフィットし、動きやすかったので買うことにした。これでお金はほとんど尽きてしまったが、依頼の報酬は日払いらしいので、教育つか依頼をこなせば大丈夫だろう。


「これで防御力も確保できるし、最低限の装備が整いましたね。」リリーが鏡を見ながら満足そうに言った。


 俺たちは装備を整えた後、ギルドの掲示板で簡単な依頼を探し始めた。

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