異世界の実情

 俺たちはエリス姫にこの件について話さなければならなかった。リリーとモモと一緒に姫のもとへ向かい、計画を説明した。


「エリス姫、元の世界に戻るための10万ゴルドを稼ぐために、冒険者として働くことに決めました。」


 俺は頭を下げながら言った。

 エリス姫は少し驚いた表情を浮かべながらも、優しく微笑んで答えた。


「そうですか。あなたの決意を尊重します。むしろ私の遊びに付き合ってくれてありがとう」

「ありがとうございます、エリス姫。お世話になりました。」


 エリス姫の承諾を受けた後も、異世界では正式な戸籍(といっても現代社会ほどしっかりしていないみたいだが)がないため住まいの契約などが難しい俺たちは、しばらく城に滞在させてもらうことにした。


 そんな時に警備隊(仲良くなった)から、城の周辺にはギルドが提供するドミトリーがあり、そこは冒険者や旅行者向けの簡易的な宿泊施設で、非常にリーズナブルな料金で利用できるという話を聞いた俺たちは、まずそこで生活の基盤を整えることにした。


「まずは、このドミトリーに泊まることにしよう。」俺はリリーとモモに提案した。「ここで数週間の間に、もっと安定した住まいを見つける。」


「わかりました、ケイさん。」リリーは頷きながら言った。「ドミトリーは立地が便利で、ギルドの活動にもすぐにアクセスできるはずですし、丁度いいかもしれません」


 また、この世界では意外にも給与システムがしっかりと確立されているようだった。


 聞いた話では、冒険者は仕事の種類や難易度に応じて報酬が決まり、報酬は依頼の内容によって異なるという。


 例えば、簡単なモンスター退治で得られる報酬は数十ゴルドから始まり、大規模なクエストやダンジョン探索では数百ゴルド、またはそれ以上の金額が期待できるらしい。


 社会の文化や法律についても理解する必要があった。この異世界の社会は封建制度に近いが、商業が発展している。

 街には様々な職業やギルドが存在し、人々はその中で生活している。特に冒険者ギルドは、冒険者たちが集まる場所で、依頼や情報交換の場となっているようだった。


 エリス姫の父である国王が治めるこの国は「カルディア王国」で、首都は「エルフリード」。

 エルフリードは商業と学問の中心地として栄えており、多くのギルドや商会が集まっている。

 カルディア王国は比較的平和な国だが、周囲には魔物やダンジョンが点在しており、それらを対処するために冒険者の存在が重要とされているようだった(これはエリス姫から聞いた話だ)。

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