第二章: 冒険の始まりと仲間たち

エルフリードの街

 城をいよいよ出る朝、俺たちはエルフリードの街担当だという警備隊の馬車に城から相乗りさせてもらってギルドに向かうことにした。

 面白かったのが、エルフリードは森に囲まれた都市なのだが、俺たちが最初捕まったのは城の裏側すぐの森だったのだ。

 森経由でよく不法移民が入るので、警備隊はあそこにいたのだった、と馬車の中で笑いながら警備隊からそんな話を聞かされた。


 城の表側から出るとしばらく大きな屋敷が続き、関所を出ればそこは王都、エルフリードだった。

 エルフリードの街並みは美しかった。街は広々としており、石畳の道路が整然と並んでいる。

 中央には大きな広場があり、市場や商店が立ち並び、スパイスや焼きたてのパン、肉の香ばしい匂いが混ざり合っていた。

 特に興味深かったのは、街中に点在する屋台や露店で、新鮮な食材や商品が並んでいる光景だ。


 ドミトリーに到着すると、その快適さに驚かされた。建物は木材を使った温かみのある内装で、広々とした共有スペースが心地よい。

 カウンターには簡単な食事が用意されており、清潔感が漂っていた。ギルドの依頼掲示板も近くにあり、冒険者としての活動を始めるには最適な場所のようだ。


 エリス姫から「お礼」として受け取った数百ゴルドは当面の生活費として十分だったが、早々に資金を増やさなければならない。


「これでしばらくは安心して過ごせそうですね。」リリーが落ち着いた表情で言った。


「そうだな。」俺は頷きながら、持参した地図を広げた。「まずは、エルフリードの街をよく調べてみよう」


 街の人々は様々な服装をしており、男性たちは実用的な革のジャケットやチュニック、女性たちは華やかで装飾的なドレスやスカートを身に着けていた。

 街の人々は親しみやすく、言語は俺たちが話すものとほぼ同じで、基本的なコミュニケーションに困ることはなさそうだった。(ただし、地名や特殊な言葉がいくつかあったため、少し勉強する必要がありそうだ)


「この街の雰囲気、素敵ですね!」モモが目を輝かせながら言った。「特に食べ物が美味しそう!」


 市場での価格感覚は現代と少し違っていた。例えば、パン一斤が数ゴルド、肉の切り身が十数ゴルド程度で、国家予算から考えると現代の物価に比べても割安なのではないか。

 エルフリード郊外にある王城と比べると金銭感覚がやや異なるようで、それもそのはず、王城周辺は王族貴族が住んでいるからなのだった。


「さぁ、エルフリードの街探索を始めようか。」俺は二人に向かって言った。「まずは、ギルドでの登録と情報収集からだ。」

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