初めての依頼
ギルドのメインフロアは活気に溢れていた。多くの冒険者たちが集まり、掲示板を眺めている。俺たちは掲示板の前に立ち、依頼の内容を確認することにした。
「何かいい依頼は見つかったりましたか?」
「うん、ここに薬草を集める依頼がある。報酬は250ゴルドだけど、経験を積むには良さそうだし、武器がなくてもできそうだ。」
「それ、やってみましょう!」
俺の案にモモとリリーがすぐに同意した。
依頼を受けるために受付カウンターに向かうと、指定された場所への地図と案内を渡された。
「この依頼は、指定された地域で薬草を収集するものです。現地には案内してくれる者がいないため、地図を見ながら自分たちで探していただく必要があります。」
「了解しました。」
受付の女性の説明を受けて、俺たち指定された場所に向かう準備を整えた。
街を出て、目的地である薬草が生えているという森へと向かう道のりは、穏やかで美しい田園風景が広がっていた。
森に到着すると、地図を見ながら指定されたエリアを目指して歩き始めた。地図を読むのは得意なので、異世界でも全く迷わなかった。
ただ道中、いくつかの薬草の標識が立っており、どれが依頼対象の薬草であるかを判断するのが難しい。
「このあたりに、癒しの草が生えているはずなんだけど…」俺が地図を広げながらつぶやく。
「本当にこの道で合っているのかな?」リリーが心配そうに周囲を見渡す。
「大丈夫、地図通りに進んでいれば見つかるよ。」モモがリリーを励ます。
森の中を進んでいると、道のりが次第に険しくなり、木々が密集してきた。急な傾斜や茂みを越えながら、慎重に進んでいくと、やっと依頼で指定された「癒しの草」を発見することができた。
小さな青い花が、他の草と混じって静かに咲いている。薬草を慎重に収集しながら、周囲の景色に目を配り、他の有用な薬草も見逃さないように努めたせいで、周囲の木々の間から聞こえる戦闘音に気づくのが遅れた。
耳を澄ますと、どうやら近くで何か激しい戦闘が繰り広げられているようだった。
音のする方へと足を運ぶと、そこには、剣や弓を手にした数人の冒険者たちが、濃い霧のような緑のモンスターと壮絶な戦いを繰り広げていた。
弓矢が空を舞い、剣が鋭く振るわれるたびに、モンスターがうめき声を上げる。
「すごい…あれが冒険者たちの戦い方なんだね。」
モモが目を丸くして呟く。
モンスターが動かなくなったタイミングで、一人の冒険者が戦いの合間にこちらに気づき、歩み寄ってきた。
肩に大きな傷跡が残る中年の男で、汗だくになりながらも礼儀正しい口調で話しかけてきた。
「おい、君たちも冒険者か?」
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