第20話

まえがき

本作品をお読みいただきありがとうございます。2025年度も本作品をよろしくお願いいたします。それでは本編です。


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1943年の欧州情勢は史実とは異なり連合国側がどちらかというと劣勢だった。ドイツはソ連攻略を電撃的そして順調に進めソ連全土を掌握していた。そしてドイツは1943年5月に突如として大日本帝国に対し宣戦を布告し同時に満州に攻め入った。日本は突如として攻め込まれたため効果的な対応ができず敗走を続けていたが満州に本土からの増援が到着すると一転して優勢となった。しかしドイツも負けじと最新兵器を投入したため戦いは泥沼の様相を呈した。しかしながらドイツ軍は制空権を完全に確保することができずにいた。理由はBf109やFw190が得意な一撃離脱が刺さりにくいためであった。日本軍は当初一撃離脱による攻撃を行っていたもののドイツ軍機に対しては速度を活かした格闘戦が有効だと知るや否や直ちに速度を活かした格闘戦を主体とした作戦に切り替えた。そしてドイツによる宣戦布告から1年が経った1944年5月、ドイツ軍は完成したばかりの新型機を戦場に投入する。


「こちら満州派遣第1航空隊所属加藤。管制塔、離陸許可を求む」


「こちら管制塔。貴機の離陸を許可する。離陸後は上空を遊弋中の早期警戒機1号機の指示に従え。」


「了解、離陸する。離陸後早期警戒機1号機の指示に従う。」


こうして満州派遣軍第1航空隊所属加藤中佐率いる計4機の零戦32型小隊はいつも通り哨戒に向かうため離陸した。その後無事に早期警戒機と合流し警戒を開始した。


「こちら空警1号機。レーダーに感あり、高度6,000m速度700km/h!?なんだこの機体早すぎる!加藤隊直ちに迎撃に向かってくれ‼」


「こちら加藤、了解した。直ちに向かう」


この時早期警戒1号機がとらえたのはドイツ国防軍空軍Luftwaaffeが投入した世界初のジェット戦闘機である「メッサーシュミット Me262 A-1a」であった。


「こちら加藤、空警1号機へ。前方より高速の飛行物体が接近中」


「こちら空警1号機、加藤隊へ。それが目標だ。対応せよ。」


「こちら加藤、空警1号機へ。目標が早すぎて対応できない。…あっ」


「加藤隊!こちら空警1号機!何があった?!応答せよ!」


「こちら加藤!三番機が被弾した!パイロットは脱出を確認。我々では対応できない!隼または震電の援護を要求する!」


最高速度800km/h(6,000m)以上を誇るMe262に最高速度590km/h(6,000m)の零戦32型が追いつくわけもなく無念の気持ちを抱えたまま加藤中佐の小隊は帰投した。帰投後加藤中佐たちは軍の情報武官より聴取を受けその機体がどのような機体だったのかを事細かに聞かれた。(撃墜されたパイロットは無事救助され基地にある病院に運び込まれた)



「岩井中将、西沢大佐!満州派遣軍より連絡です!満州にてプロペラのない戦闘機と零戦隊が接触、1機が撃墜されました!」


「岩井さん、プロペラのない戦闘機…ということは」


「ええ、おそらくあの機体でしょう。<メッサーシュミットMe262>。」


「ですね。どうしましょうか?」


「こちらに手だてはあるにはありますがまだ量産先行機しかないので…」


「岩井さん、対抗できる機体があれしかない以上やるしかありませんよ。」


「わかりました。あの機体を出撃させましょう。統合作戦本部と空軍に連絡、例の航空戦隊を満州に移動させてくれ。」


「例の機体ということは…」


「ああ、日本初のジェット戦闘機、四式艦上戦闘機<疾風>だ。」


四式艦上戦闘攻撃機「疾風」

日本初のジェット戦闘機でエンジンにはF1-10ターボファンエンジンを1基搭載する。最高速度は850km/h(8,000m)だ。機体は日本の練習機T-1に酷似している。パイロットを保護するためのゼロ・ゼロ射出可能な射出座席の開発に戸惑ったが何とか1944年に実践投入できるレベルに達した。武装はホ5を2門とホ155を2門の計4門である。

詳しいスペックはこちら

https://kakuyomu.jp/my/works/16818093086201913730/episodes/16818093087610044391

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