第12話
1938年、第1次開発が終了し試験を行っていた電算機を電探と組み合わせて使用すると敵味方の識別が容易になり、さらに電算機が迎撃の指示を対空砲などに自動的に出すため迎撃がやりやすくなる可能性が研究者から報告された。このため軍は防空艦に限らずすべての艦に電探と電算機そしてFCSを一体化させた新型電探を搭載することを決定した。
こうして開発された電算機の有用性に気付いた統合作戦本部は艦艇にも特殊電算機を搭載することを決定した。しかしながら過酷な環境に耐えられるほどの耐久性はなかったため半導体と呼ばれる次世代の電子素子を使用する電算機が登場するまで艦への搭載は見送られた。
艦船の動きでは「伊勢」型が主砲を41cm連装砲に変更するべく1936年よりドック入りしていたが最近出渠した。
「伊勢」型2隻の主な改修点は以下の通り
・主砲の換装(36cm⇒41cm砲)
・居住性向上にために主砲の削減(6基⇒4基)
・船体の延長、艦幅の拡張
・副砲の全撤去および対空砲の追加搭載
・機関の強化及び艦内レイアウトの変更
・艦首にバルバスバウの設置
などである。主砲の換装は36cm連装砲6基を41cm連装砲4基に変更し、打撃力を向上させた。41cmを搭載するために船体は約11mほど延長され、艦幅もそれに伴い増している。改修の結果見た目は同時期に近代化改修を終えた「長門」型に近い見た目となり改修を終え見た目が変わった「長門」型とともに各国からは「ニホンが新型戦艦を建造した」と誤認され各国はその対策に頭を悩ませたそうだ。
ちなみに「伊勢」型のベースとなった「扶桑」型は改修箇所が「伊勢」型より多いため装甲空母として改修し、空いた部分には新型戦艦を当てることとした。
以下は改修後の諸元である
一番艦「伊勢」
基準排水量:40,000t
全長:230m
全幅:35m
最大速力:27ノット
航続距離:18ノットで9,200浬
兵装:41cm連装砲4基8門
九五式両用砲8基16門
九九式40mm4連装機関砲10基40門(1940年度の定期検査時に搭載)
九九式対空噴進弾発射機6基
各種機銃多数
乗員:1,500名
起工:大正4年5月10日
進水:大正5年11月12日
就役:大正6年12月15日
改修:昭和11年6月
「長門」型は主砲の41cm連装砲を新型戦艦の主砲に持ちいられる新型3連装砲の試作として「長門」「陸奥」ともに3連装砲に変更した。それ以外では対空兵器のさらなる追加と船体の工事、機関の強化、艦内レイアウトの変更が主となった。
以下は改修後の諸元である
一番艦「長門」
基準排水量:44,000t
全長:240m
全幅:38m
最大速力:27ノット
航続距離:18ノットで8,400浬
兵装:41cm3連装砲4基12門
九五式両用砲8基16門
九九式40mm4連装機関砲10基40門(1941年度の定期検査時に搭載)
九九式対空噴進弾発射機6基
各種機銃多数
乗員:1,500名
起工:大正6年8月28日
進水:大正8年11月9日
就役:大正9年11月25日
改修:昭和11年9月
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