第21話

1944年8月


大日本帝国空軍 厚木基地


「統合作戦本部から新たな作戦命令だ。」


「我々第92航空隊は満州にいる友軍を援護するべく空母<翔鶴>に展開しそこから作戦を行う。」


「そもそも我々が出撃する必要はあるんですか?陸上では局所的に苦戦しているが

ものの制空はとれていて全体的に見れば優勢と聞いていますが?」


「敵の新型が出たそうだ。どうやら我々と同じジェット機らしい。」


「噂には聞いていましたがまさかほんとに投入してくるとは…。了解しました。友軍の支援に向かいます。」


「頼んだぞ。」


こうして大日本帝国海軍第92航空隊所属

<四式戦闘機 疾風>計20機は厚木基地を

離陸し、改修が終わったばかりの空母「翔鶴」に着艦した。


大日本帝国空軍は大日本帝国陸軍航空隊の爆撃機運用部隊と大日本帝国海軍航空隊の陸上攻撃隊が合併して設立された軍で主な装備は爆撃機である。(陸軍の戦闘機部隊は海軍に吸収された。)



某日満州国


「ここが満州か。意外とものが少ないんだな。」


「ここは軍の基地ですからね。周辺地域は軍の管轄です。」


ここ満州のある基地にはイギリスの<アブロ ランカスター>爆撃機の編隊が駐留していた。主な作戦は旧ソ連領にあるドイツ軍基地に対する空爆である。しかしながら迎撃機としてMe262が出現するようになると護衛の三式戦やグリフォンスピットでも太刀打ちできないため爆撃任務は中止され事実上日本の地上部隊へ物資を輸送する輸送部隊になっていた。ちなみにイギリスに対しては大規模改修された空母「蒼龍」「飛龍」「青龍」「登龍」、改修により41cm連装砲搭載戦艦となった「伊勢」「日向」そして超大規模改修を終え、41cm3連装砲搭載戦艦となった「長門」「陸奥」を始めとした遠征打撃軍が派遣されている。


「周辺地域丸ごとか。ニホンはかなり防諜がしっかりしているのか。」


「つい最近のことですよ。大規模な政治改革と軍内部での改革が行われたからです。まあでも政治改革におかげであなた方イギリスと同盟が組めたので半々といったところですかね。」




同年9月

大日本帝国戦略研究所(共同の名前は1942年に外された)


「新型エンジンの調子はどんな感じだ?」


「岩井さんや西沢さんのおかげで順調です。このエンジンが完成したらF1エンジンはイギリスに売却を開始して問題ないですね?」


「ああ、問題ないよ。アメリカと日英米対独共同戦線建設条約を組むのをやめてまで組んでくれたんだ。それ相応のものは渡さなくては平等な関係とは言えない。」

(イギリスだけは逃がしてはならない。あの国は外交政策はともかく信頼できる)


「了解です。ところでこのエンジンの性能ですが、今のところアフターバーナーなしなのでそこまで高くありません。ですが改良型の-20または-30ではアフターバーナーが使用できるはずです。」


こうしてこのエンジン<試作名 YF2 ターボファンエンジン>はアフターバーナー搭載試作型が完成し、試験を無事通過したため1945年1月に<F2-10 ターボファンエンジン>として採用された。翌月からはイギリスに向け大量製造されたF1-20とMF1、MF10が出荷された。


F1-20 ターボファンエンジンは世界初のターボファンエンジンであるF1-10の改良型にあたる。このエンジンは日本初のジェット戦闘機<四式戦闘機「疾風」>の量産型に搭載された。また-20が開発された数か月後にはアフターバーナーが実用化されたため-20の生産は即アフターバーナー搭載型の-30に変更された。

MF1/MF10 ターボファンエンジンはミサイル用のエンジンで前者が空対艦ミサイルに後者が艦対艦ミサイルのエンジンとして利用された。イギリスに供与した理由はイギリスも日本が開発した対艦ミサイルなどに興味を持っており開発に協力することになったからである。幸いにもイギリスはミサイルのシーカーは自国で開発できていたためエンジンのみの供与となった。

F2-10 アフターバーナー付ターボファンエンジンは先代のF1 ターボファンエンジンの後継機で推力が先代より向上している。このエンジンは四式戦の改良型および一式局戦「震電」のジェット機版である五式戦闘攻撃機「震電改」のエンジンとして採用された。エンジンの性能は史実のT-4に搭載されたF3エンジンのアフターバーナー付き型であるF3-400相当である。

諸元(F2-10)

・重量:501 kg

・圧縮機: ファン3枚・6段軸流圧縮機

・燃焼器: アニュラー型

・タービン: 1段低圧・1段高圧タービン

・推力

  2,100 kg (ドライ推力)

  3,400 kg (アフターバーナー使用時

・推力重量比:6.8-7 (アフターバーナー使用時)

・全体圧力比:14

・タービン入口温度:1,400℃

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あとがき

エンジンについてのガバはお許しを

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