第2話
ちなみに海軍内では造船施設の設備が貧弱であること問題視し造船設備の強化、及び艦艇の建造期間の短縮を目指す設備強化派という派閥が台頭し始めさらに航空機の稼働率の更なる向上を目指す航空屋の一部、そして艦艇を主に使用する水雷屋、鉄砲屋の一部と合流しかなりの規模となっていた。
そして何より一部の上官もそこに属していたためマル一計画の一部を変更し、造船施設を増やしかつ様々なところで効率化が行われた。特にわかりやすいのが艦艇の建造方法で1931年に就役したばかりの敷設艦「八重山」に使用されたアーク溶接をこれから建造されるすべての艦艇に使用することが決定し、初期のブロック工法を改良し現在のブロック工法に近い改良型ブロック工法も併せて使用することで建造期間の短縮に成功。さらに駆逐艦などは大量に建造されるために艦の構造をできる限り簡略化することで建造期間短縮に成功した。このことは他の艦であっても有効である可能性があるため空母や巡洋艦新規に建造された戦艦などの様々な艦に採用された。
このことの副産物として従来までの個艦精鋭の思想から新たな思想へと転換し、更にダメージコントロールが構造が単純になったことにより従来よりやりやすくなった。
一方航空機の場合は機体の製造方法は従来のままだが、生産方式を米国やイギリスなどからマニュアルや技術者とともに輸入した機械を多様したライン式生産に切り替えた事で量産性を向上させることができた。
さらに海軍では導入した機械のマニュアルの精密さに驚きこれを航空機やエンジンにも適用した。このことにより新人整備兵の教育がやりやすくなり、戦時中航空機の稼働率向上に一役買うという思わぬ恩恵も得ることになったがこれはまた別の話。
また、海軍内の設備強化派は、更なる技術の向上を目指し、日本独自の工業規格である「IJIS」(統合型日本技術規格)を制定し、日本の工業力をパワーアップしようとしていた。このためには陸軍の協力が不可欠であるため協力を仰ぐことになっていた。
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