第6話 小説を書く時の注意点

主語述語はわかりやすく、修飾語を使い過ぎない

読者にとって理解しやすい文章を書くためには、「主語・述語の関係」がわかりにくくならないような工夫が必要です。


主語とは、文章の主体:誰が、誰を、誰は、など

述語とは、主語を受ける部分:どうした、どうなった、など

修飾語とは、文章や言葉を飾るもの:新しい、きれいな、など

文法の基本として上記のものがありますが、なかでも重要なのは「主語」です。主語さえハッキリしていれば、ほとんどの文章は読みやすくなります。


そうはいっても、すべての文に主語をつけると、文章がうっとうしい印象になりがちです。そして修飾する言葉がなければ、味気ない文章になってしまうでしょう。


主語を適度に省略したり修飾語を上手に活用したりして、文章にバリエーションを持たせつつ、「この文章の主語がどこか」に意識をおいて書くのが大切です。


この部分が面白い小説になるか駄作になるかの分かれ目です。学校で書く作文ではないというのがこの部分です。


例外としてこういう書き方もあります。一人称地の文章


「この世界の多くの住人は生活魔法程度が使える人が殆どで、属性魔法が使える人は一つの属性が普通、全属性何て夢のまた夢、人外認定、面倒ごとオンパレードになる事間違いなしです。」


この文章は文法的に言えば世界の住人が主語になっていますが、本当の主語は一人称の自分です。自分という主語の言葉は無いですが、最終的に自分がどうなるという事を書いています。


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漢字の割合が多いと「堅い」ひらがなばかりでも読みにくい

小説の文章にどれだけの漢字を使うか、はたまた「ひらく(ひらがなで書くこと)」のかというのは重要な課題です。1ページ中に漢字の割合が多いと「堅い」イメージをあたえる文章になります。逆にこれが少ないと「やわらかい」印象に。


漢字ばかりでも読者の負担になり、ひらがなばかりでも読みにくいものです。バランスをみながら調整する必要があります。


この世界の多くの住人は生活魔法程度が使える人が殆どで、属性魔法が使える人は一つの属性が普通、全属性何て夢のまた夢、人外認定、面倒ごとオンパレードになる事間違いなしです。


この世界の多くの住人は生活魔法ていどが使える人がほとんどで、属性魔法が使える人は一つの属性が普通、全属性なんて夢のまた夢、人外認定、面倒ごとオンパレードになること間違いなしです。


校正のプロに言わせるとこれでも駄目でしょうが、上下の文章の漢字とひらがなの分量でこのぐらい感じが違います。




一文を短めにすると読みやすさがUP!

エンタメ小説はわかりやすさが大切なので、一文は短めに設定したいもの。切ると意味が伝わらなかったりどうしても切りたくなかったりするようなケースもあるでしょう。その場合でも「三行以上」になったら切る工夫をしましょう。


これはWEB小説では特に気を付ける事ですね。自分で書いた物をスマホで読んでみる事をお勧めします。もしくはスマホで他の作者の作品を読んで行間が詰んでいるとどれくらい読み難いか確認してみる事も大事です。


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読点を使う3つのタイミング

読点(、)は一文を区切って読みやすくするために使う記号です。


読点の使い方には正式な作法がありません。それでもわかりやすい文章を書くためには、とくに「読点」の使いどころが重要になります。


読点の使いどころ・その1

読点を打つタイミングは、基本的に声に出して読んだときに「息継ぎ」をする場所、というふうに覚えておくといいでしょう。迷ったら音読するのがオススメです。


*この音読は誤字脱字を減らす事にも使えます。また文章が読み辛いというのも読み直すと良く分かります。私もまだまだ出来ていませんが……。


読点の使いどころ・その2

接続詞の次に読点を打つというのも一般的です。文のはじめの「しかし」「つまり」などが接続詞です。


「上記のように」「それが基本となり」というような文をつなぐ言葉の後にも読点を打つと、読みやすくなります。


読点の使いどころ・その3

読点には「意味を区切る」効果があります。「ここからここまでは同じ意味ですよ」「ここからは別の意味になりますよ」という文の構造として、読点を打つのもオススメです。


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「重なり」に気をつけよう

「重なり」があることで、文章が拙いものにみえてしまうことが多いものです。よくない重なりをみていきましょう。


音の重なり

まず、気をつけたいのが「音の重なり」です。


「彼女の肩の上の蝶」

上の文章を見ると、とてもぎこちない印象を受けるのではないでしょうか。

「彼女の肩にとまった蝶」

このように変えてみると、いくらか表現が洗練されます。

「~の~の~の~」や「~に~に~に」というのはついついやってしまいがちな悪文です。どうしても言い換えが難しいケースもありますが、なるべく注意して表現を変えましょう。


「の」は連続しやすい助詞として注意しておきたい部分ですが、他にも「から」などが意外と続きやすいので要注意です。


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意味の重なり

次に注意が必要なのは「意味の重なり」です。「満天の星空」「アメリカに渡米する」などがその例。


「天」は「空」という意味なので「満天の星空」は同じ意味の言葉が2回重なっています。そして渡米するのだから、行き先はアメリカに決まっているのです。なるべく言葉の意味を考えて言い換えるようにしましょう。


言葉の重なり

文章のなかで、同じ言葉が何回も出てくると、うっとうしい印象になります。この「言葉の重なり」にも気をつけたいところです。


たとえばキャラクターの名前や、固有名詞、物の名前などが何度も1つの文のなかで連呼されると、「いやもう知っているよ」と呆れた気分になることも。


ほかにも、主人公が泣いているシーンで「むせぶ」「落涙する」「嗚咽をもらす」など、似たような意味を持つ言葉が何度も重なって出てくると、くどい文章になります。


私の処女作では恥ずかしながら、これが非常に多い。本当に今読み返すと顔が真っ赤になる程です。


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てにをはに気をつけよう!

文章のなかで主に「助詞」の使い方に違和感がある場合「『てにをは』がおかしい」という表現が使われます。


その仕事の依頼は上司に通して私のもとを舞い込んできた。

上記の文では助詞「に」と「を」の使い方が間違っています。


その仕事の依頼は上司を通して私のもとに舞い込んできた。

接続詞と同じように、異なる助詞を使うことで文章の意味が変わってしまう場合もあります。


1 彼女は名前を呼ばれた。

2 彼女も名前を呼ばれた。

3 彼女だけ名前を呼ばれた。


1は「名前を呼ばれた」という事実を述べています。「彼女」が一人でも成立する文章です。


2と3は「彼女」が誰か他の人と一緒にいなければ成立しない文章になっています。


2は「彼女も」なので「彼女」のほかにも誰かが名前を呼ばれているようです。


3は「彼女」のほかにも誰かがいるけれど、「彼女」しか名前を呼ばれていません。


このようにたった1文字2文字でも助詞が支えている「意味」の部分は文章に大きな影響をあたえます。違和感がないかしっかりと確認しましょう。


私もこれで何時も苦労しています。

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接続詞の多用に注意

文章の流れをよくするために、上手に使用したい「接続詞」ですが、多用しすぎるとかえって読みにくくなるという側面もあります。




引用元


https://enomotomethod.jp/column/how-to-write-a-novel/


とても詳しく書かれていますので、是非参考にされてください。

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