第12話 小説の種

小説を書き始める時って、題名を先に決めますよね。これってどうやって決めていますか?


私の場合は、一つのキーワードから決めています。


「産業革命」「辺境」「ドワーフ」「招き猫」「死」「初恋」


このキーワードとジャンルが決まれば、後はどういう物語にしようか考えるだけです。


現在連載中の「ドワーフ転生 物作りは楽しい」は主人公をキーワードのドワーフと決めた所から、書き始めました。


皆さんが思うドワーフってどんなものですか? 酒好きで物作りが得意な髭を生やしたずんぐりむっくりと言うのが普通ではないでしょうか?


では、その通りに書けば一つの作品は簡単に書けます。転生物なら人間が死んで、転生したらドワーフだった。ドワーフに転生したなら酒を作ったり物を作ったりすれば、それだけで一つの作品には成るんです。


ですが、これだけでは読まれない。何のひねりも無いですからね。ではどうするか?


私の場合はずんぐりむっくりのドワーフではなくガチムチのドワーフと言う設定にしました。その後は赤ちゃんの時のドワーフってどんなだろう? チートを持って生まれて来たら、自分ならどうする? 家族構成は? 家族の職業は? その世界はどんな世界? 家族の性格は? 家族の呼び方は? チートの内容は? 神様に会う?


この他にも沢山ありますが、沢山の小説を読んでいれば、色んな発想が出てきます。テンプレ的な物もありますしね。ですがそこをどう工夫するかで読まれる作品かそうでないかが決まります。


その時のトレンドを外さない。トレンドから大きく外す。中途半端に両方とも取り入れる。正直確実に読まれるのはトレンドを外さないですが、競争率もそれだけ激しいので、伸びない物は全く伸びません。


私の場合はキーワードのドワーフと言うのがトレンドを外しています。主人公がドワーフと言う作品は殆どありませんからね。他にも主人公が、人間では無い物ってありますよね。エルフ、ドラゴン……。


一昔前までは殆どが人間が主人公でした。それを外すだけでも大人気になる作品もあります。主人公がハイエルフだから、寿命が長い。それを話の中心にもって来ることで寿命の短い種族との関係性だけでも一つの物語に成ります。


このように小説を書くのに必要なものは先ず小説の種です。


一つの種を育てるのが小説です。種から目が出て、葉が開き、根っこが伸びる、枝分かれして、最後は大木になる。こんな風に書けば小説になるのです。


私の作品では短編の「月と招き猫と少年「」という作品がまさにキーワードから生まれた作品です。


名前を出すと問題になるので出しませんが、ある作者様のペンネームからヒントを貰い書いた作品です。


その作者様との縁を凄く感じたので、作者様の作品に出て来る猫とペンネーム、それと主人公を足して一つの題名に物語を構成しました。その作者様の作品の主人公がいじめられていたので、私の作品でも主人公はいじめられています。


まぁ内容を読んで貰えればどんな感じで、書いたか分かって貰えると思うのでこれ以上は書きません。


小説の種って本当に何でも良いんです。私の場合は殆どが異世界物ですが、ある交流のある作者様は実体験からスーパーを題材にしたラブコメを書かれています。その中に年の差カップルというエッセンスを加える事で話が広がって行きます。


他にもコミックで話題になった「テラフォーマー」これなんてキーワードはゴキブリですからね。


小説の種=キーワード


「異世界」「転生」「転移」「悪役令嬢」「追放」 これだって昔は只のキーワードだったんですよ。それが今ではテンプレに成っている。


*****


まとめ


小説の種は思いついたら、必ずメモしましょう。これ面白い。これ怖い。これ知らなかった。何でも良いんです。思いついたらメモを取って置く。


参考動画

https://www.youtube.com/watch?v=-xUU6po8iw4

わかつきひかる先生は異色の作家さんですが、解説は本当に勉強に成ります。


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