第29話 小説を書く 実践編3

第三話では二話までに書いた事の引き続きを冒頭に持ってきて、話を継続させます。


その後は自分の思うストーリーになるように文章を作って行くのですが、その中にまだ三話目ですから、紹介しきっていない物を入れたり、何故自分がこの世界に転生したのかを書いて行きます。そして、いよいよストーリーに入って行くのですが、その入り方を工夫する。


どんな設定でどうこの世界が変化してるのか、それによってこの先どんな事が起きるのか? ここまでくれば、後は自分のアイデア次第です。


この物語のメインストーリーは決まっているのですからね。


魔法世界から転生して来た元賢者が、これから魔物やダンジョンが生まれる世界をどう守るのか? どう戦うのか? 大きな流れはこれだけなんですよ。それをどうするかは作者次第。完全に阻止するように物語を作るのか? それと色々やったけど阻止は無理だったから、対抗する手段を考える。それにはどうするか?


これで分かると思うんですがメインストーリーをどうするか? これの繰り返しなんです。阻止しようとして成功する。それならどうやったのか? 失敗したからどうするか? なぜ失敗したのか?


これが物作りなら、何を作るのか? それには何が必要か? 作れば人から狙われるからどうするか?


全て、何かに対してどうするかなんです。そしてその間に、ユーモアを入れたり、キャラクターの個性を入れたり、イベントを入れる。


これだけで、小説は書けます。プロットはこのような事を前もって書いておくもの、プロットなしはプロットを考えると同時に文章にしている訳です。


では、三話がどうなったかで、私がどう書いたか考えてみて下さい。


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第3話 ピクニック?



 パパの変わった趣味に助けられて、僕の魔力臓器の研究は捗ったけど、人間は現状魔力を吸収していないし、虫垂は魔力を作れないという事が分かった。


 何故? 魔力を吸収していないのか? 一番は魔力の存在を認識していないこと。


 もし魔力の存在を認識できた人がいたとしても、吸収する方法が解らないし、魔力の使い道も解らない。使い道の方は可能性は0じゃないけどね。漫画やアニメのまねをしたら、偶然ということもあるかもしれない。


 そう言う訳で、この世界では魔力が使われていない。その結果何が起きているか? 魔力が異常に濃くなっている。この魔力が濃くなることで起きる事、それは魔物の発生。今すぐではないが確実に起きる。その前に兆候として動物が凶暴になり、人や動物を襲うようになるでしょう。


 もう一つはまだ確定ではないが、ダンジョンが出来る可能性がある。前世では魔力溜まりで稀に発生していたが、早期に発見できれば直ぐに処理されていた。


 偶に発見が遅れ、巨大化したダンジョンは国が管理して、ダンジョンを資源として利用していた。しかし、これは非常に危険な行為でもある。管理を誤れば魔物の大量発生を招く恐れがあるからです。


 今世の知識で言うとスタンピードですね。


 前世の知識では魔物は記録が無い時代から存在していたようだから、魔物がこれから発生するのか、この世界にダンジョンが発生するのか? かなり時代が進んでからなのか? 全く解らない。


 今の所こんなところかな。 これって僕がこの世界に転生した理由じゃないかな?


 あまりにも都合が良すぎるよね。魔物が発生する世界に魔物のいた世界で生きた経験がある僕が転生するなんて……。ハードモード確定っていうんだっけこういうの。


 まぁ直ぐにじゃないからおいおい対策は考えよう。今日は折角の親子三人でのピクニックだからね。


 ここは九州の〇〇県と△△県の県境にある霊山で有名な場所のキャンプ場。


 僕たちは日帰りなので宿泊しないけど、他の人はバンガローやテントでキャンプする。僕も、もう少し大きくなったらキャンプしたいな。


 前世ではいやというほど野宿や野営をしていたのに、どうしてかまたやりたいと思う。この世界ではそれが、普通ではなくなっているので、郷愁みたいな物かな……。


 このキャンプ場は、渓流がすぐ脇を流れていて、夏は涼しくてとても人気があり、僕達もその涼しさを求めてやって来たのです。


「うわ~涼しい! 見て見て川の水が冷たくて気持ちよさそう」


「そうだね。見てごらん、こんな自然の中に来るは初めてだから、実がキョロキョしてるよ」


 そりゃそうだ。我が家の在る場所は県庁所在地。それなりに発展してるから、周りはビルばかり。近くに公園はあるけど、緑がありますねと言うのがやっと。家の近くとはやはり植生も違うから、鑑定するだけでも面白い。


 この世界に僕が転生してから、僕の魔法も転生チート化したみたいなんだよね。おかしな言い方でしょ。でもね、進化とは少し違うんだよね。進化ではあるんだよ。だけど、何て言ったら良いのかな? 進化はしてるけど、ただの進化ではない。 


 例えば鑑定魔法だと、以前は物の名前と簡単な説明だったものが、今世は名前と詳細な説明、それにプラス前世の物の名前と用途が表示される。


 今世 ヨモギ  


 豊富な食物繊維で腸内環境改善・デトックス効果、血液をキレイにする、増やす効果。 クロロフィルの殺菌作用と活性酸素を抑える効能によりシミ・しわの予防、美肌・美白効果


 前世 スギ草


 初級ポーションの材料 


 これってどういう意味だと思う? ポーションは薬草と魔力と水で作れるんだけど、鑑定結果から、この薬草のところをヨモギにしてもポーションが作れると言う事に成るんだよ。


 但し、現状作れるのは魔力が使える僕だけだけどね。


 攻撃系の魔法だと以前はボール系、アロー系、スピア系


 防御系の魔法だと以前はウォール系


 今世では前世と同じ物は使えるしそれプラスがあるんだよ。ひとつは威力は落ちるけど複数出せるようになっているね。


 防御系だと結界? バリア? 表現が難しいけどこういう物が使える。


 前世では魔法は呪文とイメージが大事でしたが、今世でも殆ど同じなんだけど、そのイメージする物が増えているから複雑な物や変わった物が出来るようになっている。僕の場合は無詠唱だよ。


「水が冷たくて気持ちいいから、実ちゃんもちょっと足を入れてみようね」


「ギャー」


 なにすんだ~、ママ! 渓流の水は18度ないんだぞ。場所によっては10度位の所もある。


「あら~~冷たかった? ごめんごめん」


 うちのママは時々こんな事をする。天然というかなんというか? 元薬剤師なんだから理系には強いと思うんだけどね。


 それに両親がネットでこのキャンプ場のこと調べてる時にHPにしっかり渓流の水温出ていたぞ。


 2度から18度、季節により変化って……。


 こんな事もあり、騒がしいピクニック? だが自然の中での食事は美味しい。


 僕は離乳食ですが……。


 ピクニックを楽しんだ後は、霊山の中腹にある神社でお参りをして帰る事に成った。本殿に向かって両親がお参りしてる時、僕は違和感を感じた。ん?


 あれはご神体? 水晶みたいだけど、何だかおかしい? 僕は魔力感知を使ってみた。やばい! あの水晶に魔力が集まっている。どうしよう? 今すぐどうにかなるとは思え無いが、確実に何かが起きる事は間違いない。相手はご神体、前世ならこういう時は破壊あるのみ。しかしな~~破壊したら大変な騒ぎに成るよな~~~。


 でも次に僕がここに来れるのが、いつに成るか分らない?


 何かいい魔法は無いか? 時限爆弾魔法? いや流石にそんな魔法は無理だろう。いやいやだから無理だって、だが僕の心は出来る、出来ると言っているような?


 時限爆弾はアニメや映画に出てきたから、知ってはいるけど、魔法でどう再現するんだよ。


 あ! そうか! 時限爆弾は無理でも、有線爆弾なら出来る。


 爆発する魔法の起爆を有線、つまり魔力で導火線を作ればいい。この場合だと魔力線が切れたら爆発するようにすればなんとかなるかな?


 良し! 成功。後は離れてから線を切ればいい。


 本殿から離れて、駐車場について、車に乗り込みドアが閉まると同時に。


「ドン!」


「何か音がしたみたいだけど、優ちゃん聞こえた?」


「そうね、確かに何か音はしたみたいだけど、小さかったし、一瞬だったよ」


 パパが車を走らせながら、そんな会話をしていた時、神社では大変な騒ぎに成っていた。


 その日の夜のニュースでは原因不明のご神体爆発事件が報道されていた。


 ごめんなさい  僕は心の中で謝っていた。

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