第28話 小説を書く 実践編2
次は、二話目です。
この二話目に何を書くか? そこが先ずポイントですね。そしてその場面が何時なのかも大事な事です。転生してから数日、数週間、数か月、一年、これの何処を選ぶかで話しの内容は変って来ます。
数日や数週間なら一話の続き的な話になります。これが数か月や一年なら、少し進捗があった話になります。
その次に、自己紹介を詳しく書いたり一話でどうやって死んだのかを書いていなかったので、ここで簡単に書く。他には家族の紹介。二話で私は一年を選択しましたから、一年の間にあった事を書く。そして小説ですから喜怒哀楽的な物を入れる。
読者がクスッとしてくれないかな? 泣いてくれないかな? 怒ってくれないかな?こんな事を考えて文章を考える。これもアイデアです。ただ一年の流れを書くだけなら、箇条書きのようになるし、良くて作文です。
この作品は現代ファンタジーですから世界観を書くのが難しいです。現代なのにファンタジーなんですから、テンプレが無いのです。幾らでも書きようがある。そしてそれが小説の設定になるのです。例えば主人公の設定、どんなチートがあるのかなどですね。
では、二話をどう書いたのか? 載せておきます。
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タイトル 「転生して」
もう直ぐ転生して1年が経とうとしています。この1年でこの世界の事が色々と分かって来ました。
赤ちゃんの脳というのはまるでスポンジのように情報を吸収します。これは本当に物凄いですよ。多分、僕が転生者だというのが大きな理由でしょう。普通の赤ちゃんも吸収力は高いでしょうが、僕とは比較に成りません。
なぜなら、普通は繰り返す事によって記憶していくものですが、僕の場合は一度見たり聞いたりしたことが、理解出来たら直ぐ記憶であり知識に成るんです。
一番僕に必要なのはそのものを理解する事。テレビという名前は直ぐに覚えるので、テレビが何をする物か理解すればいいだけです。そこで役に立ったのが前世で使っていた魔法、鑑定魔法です。
おかしいですよね、魔法の無い世界でそんな魔法が使えるなんて、どう考えてもね。これがチートというらしいです。 何でそんな言葉を知っているのかと思うでしょ?
ハイハイが出来るように成った時に父が読みかけの漫画を床に置いていたので、それを読んで覚えたんです。父はよくこのように物を放置しているので、いつも母に怒られているようなだらしない父ですが、僕に対する愛情はこちらがちょっと引くぐらいに強烈です。
他にもTVで父はアニメも良く見ますから、一緒にいればそういう知識も自然と増えます。
話を戻すと、回復魔法を使えたのなら他の魔法も出来るのではと思って試したら全て出来たんです。出来ただけならまだ良かった……。
これを僕は逆転生チート魔術師と呼んでいます。漫画や小説のタイトルみたいですね。
このような知識を得た今なら、僕がチートだと直ぐに分かるんです。だって僕は生まれて直ぐに言葉も文字も理解してたんですから。これを漫画や小説で言うと言語理解というそうです。試しに僕が使っている日本語ではない物で書かれているものを読んでも理解できます。
この世界には色んな言語があると知ってから、見つけるたびに試しましたが全て理解出来ました。意識すれば話す事も書くことも出来ます。まさにチートでしょ。
自分の事ばかりですから家族を紹介しますね。
父 田中雄二 28歳 製薬会社の営業
母 田中優子 26歳 元薬剤師 現在は退職、専業主婦
この二人、物凄く苦労してるんです。二人とも孤児院出身で天涯孤独です。
同じ孤児院の幼馴染が結婚したという事ですね。この事は偶に二人のいた孤児院を訪問するから知ったことです。孤児院に僕が行くと小さい子にもみくちゃにされるので大変なんですが、前世で兄妹もいなかった僕には沢山の兄や姉が出来たようで嬉しくもあるんですが。
それでも痛いのは勘弁して欲しい。切実に……。
そうだ、この世界は本当に便利ですよね。パソコンなんてものが有りますから、情報を知るにはもってこいです。両親が僕を抱っこしたまま使う事も有るので使い方は直ぐに覚えました。
これを覚えてからの知識の吸収はとんでもなく早くなりましたね。だって名前さえ分かれば、それを検索すれば意味や内容まで全て分るんですから、それにネットサーフィンすれば関連事項も全て網羅もうらできる。
僕の記憶力は瞬間記憶に近いものです。一度読めばそれで覚えます。そのお陰でこの世界が科学で進歩してる事も理解出来ました。ただそれなのにこの世界には何故、魔力があるのか? そこだけは未だに意味が解らない?
「実、お誕生日おめでとう! 今日で1歳、良く育ってくれたね」
「実ちゃん、おめでとう! ママはとっても嬉しいわ」
前世では誕生日など祝われた事などないから、何だか気恥ずかしいがこういうのも良いもんだな。 祝ってもらったからにはお返しをしないとな。
「マ~マ」
「!!!! 雄二君、聞いた? 今実ちゃんが、ママって言ったよ」
「聞き間違いだろう? もうそろそろ発語する頃だけど、早いよ」
なんだって、僕はちゃんとママと言ったんだぞ。
「マ~マ」
どうだ!
「ほら!やっぱりママって言ってるよ。な~~に実ちゃん」
「本当だ! それなら、、パパ 言ってごらん。 実、パパだよ~」
パパは暫く言ってやらん!
「マ~マ」
「なんでだよ~~~、パパって言ってよ~~実」
「あらあら、実ちゃんが折角ママって言ったのにそれを疑うからそうなるのよ」
そうだそうだ! 我が子を疑うからだ。いや、本当はパパはまだ言えないんです。パパって割と難しんだよ。口の動きはよく似てるんだけど、最後の所が違うんだよね。
そうだ忘れてたけど、僕が病院から退院する時ってこの国のニュースに成ったんだよ。
奇跡の子なんてもてはやされて、一時期有名人だった。でも今では普通の子、この方が楽でいいけどね。
僕の前世は賢者だったから、国中、下手したら世界中に名が知れ渡っていたから、そのお陰で妬ねたみ嫉そねみが酷く、最後は最愛の弟子に裏切られて死んだんです。だから今度の人生では目立たず平凡に生きたいと思っている。チートですからそんな生活は難しいのは分かっているけど、努力はしたいよ。
目立たないための方法は考えてるんだけど、上手く行くかはその時に成ってみないと分からない。
誕生日を祝ってもらってからの僕の日課は、この世界の人間の魔力臓器の研究です。それしか出来ないともいう。現状、ママがいつも家にいるし、僕が寝てる時だけ離れるので自由に何もできない。僕がPCを使えるのは、僕がお昼寝してると思ってママも一緒に寝てしまった時ぐらい。
ただね、これ一度、大失敗する寸前だったんだよ。PCでネット検索とかすると履歴が残るでしょ。これを知った時は冷や汗が出たね。うちの両親が履歴の削除とか履歴を利用していなかったから良かっただけで、一つ間違えれば、僕の秘密がばれる可能性があったのよ。
まぁ直ぐに僕が犯人とはならないでしょうが、疑いの目を向けられるのは確かだよね。そうすると最悪、気持ち悪い子供認定されたかもしれない。
そう言う訳で現在自粛中なんです。
魔力臓器も本当に大事なことだからね。いい訳では無いよ。これまでの研究で解ったのは、どうもこの世界の人間の臓器の盲腸ではないかと言う事。正確には虫垂なんですが。この虫垂は無用の長物ではないけど、無くても死にはしない。そんな臓器ですが、僕の考察では此処に魔力を貯める事が出来るようなんですよ。
人間の臓器の知識は両親が二人とも薬学系の仕事なので、自宅にそう言う本があるのと、パパがどういう訳か部屋の壁に解剖図のポスターを貼ってるから覚えました。普通貼らないよね? 臓器のポスター、その時僕は思ったね。
うちのパパは……、何も言うまい 言ったらかわいそう……。
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こんな感じで二話を書きました。これで分かるように魔力臓器を理解するのに必要な知識を何処から得たのか? それに関係する両親の仕事。魔力臓器を虫垂にして事で、盲腸の手術をした人はどうなるのか? こんな伏線もひけます。
次話は三話についてです。
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