だいろくわ ひみつ

今日は出かけてくるといった奈々の帰りが遅い

そわそわしてしまって何をしたらいいかわからない


「ただいまー」

奈々っと後ろを見ると誰かがいる。

「ほんとに人間じゃん、奈々勘弁してよ」

誰か知らないけど何か物言いにむっときた

「まぁまぁ、ほらむっとしてるじゃん。」


この人は奈々の友達らしい。

「ペット飼ったって女の子の写真送られてくるんだもん、びっくりしてとびだしてきちゃったよー」

奈々とは少しタイプの違う、チャラ男といってもいいくらいの派手な男。

「かわいいね、俺もたべちゃおっかな」

お友達さんの手首を引っ張って強引に引き離す奈々

「冗談もいい加減にしとけよ?」

「奈々、やりまくってんじゃないの?」


しばらくの無言が流れる


「え、まじ?」

「…何か文句あんのかよ」

それは私も聞きたい。


「こいつ、俺の友達らしきやつ。」

「どーもー、俺智っていうからよろしくね。」

「…は、はじめまして」

長めの白髪をきれいに揺らして私の頭を撫でてくる

この白髪が奈々の黒髪と対照的で奇麗だ


ペシッと手を避ける奈々

「俺のに手出すな」

奈々らしいなぁ…そういえばなんで智には言ったんだろう


「んで、この子大丈夫なの、いろいろと」

「その辺この子は大丈夫」

ポンっと頭を撫でて

「ちょっと待っててね」

と言って隣の部屋に行ってしまった。

もちろん、写真のない部屋のほうだ。


聞き耳を立ててみる…聞きづらい…

「…んで、さゆは両親…」

「だからって許されない…だろうけど…」

「お前それは…気持ちはわかるけど」

聞き取れない…


諦めてコーヒーを入れることにした。

外はもう真っ暗だ。

パタンとドアが開き、二人が戻ってきた。


「さゆちゃん、俺にまでコーヒー淹れてくれたの!?うわー感激」

「さゆ、こいつはほっといていいから」

二人分のコーヒーを机に置いてにこっとしてみた。

精一杯の社交辞令だ


「かーわーいい!!おれのこにするわ」

智にぎゅうっと抱きしめられて身体がビクッとする。

パンっと頭をはたかれて智はちぇーっと離れてくれた。


「ごはんまだだったね。仕方ねーからお前も食ってけよ。」

「え、さゆちゃんを?」

「帰れ」

「ごーめん、怒らないで」


しばらくご飯を待つ間、智にいろいろと話を聞いた。

時折、奈々が頭を叩きに来ていた。

「それでさー、こいつ異常性癖?誰と付き合っても告った女の子の方が青ざめた顔して逃げてくのよー」

私の髪の毛をサラッと撫でて

「人を顔で判断した報いだよねー。まぁ俺も異常?なのかなそれで彼女いないのよ。つきあってくんない?」

奈々が頭を叩きに来た。

面白くてクスっと笑ったら、優しい顔で智は私のことを抱きしめた。

「こいつに飽きたら俺のとこ来るんだよ?」

奈々は呆れた顔でキッチンに戻った。


なんとなく智をうちにつれてきた理由が分かった。

なんとなく、2人の関係が見えてきた。

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