だいじゅうはちわ 異変

私の中にぐるぐると何か異変を感じたのを、奈々に報告した。

頭の中がざわざわするような、ノイズが走るようなそんな変な異常を感じた。

今日はおとなしく寝てなと、寝室でもある写真部屋に一人こもって寝てみる。

ダメだ悪化してるようにも感じる。


心の中が嫌な感情でいっぱいになる。

「いやぁあああああ!!!!」

悲鳴を上げると奈々がすぐ来てくれた。

「大丈夫、俺がいるから。大丈夫」

お姫様抱っこでリビングに向かうけどその間も私は自分の意思に反して暴れていた


手錠と足枷と舌をかまないように口を布で塞がれる

準備がいいのはなぜなのか、落ち着いたら聞いてみようと思ったけど一瞬で忘れてしまった。頭の中が真っ白で、あるのはパニックだけで。


奈々が布を取って口移しで何か混ざってる液体を強引に流し込まれる。

また布を口に噛ませられる


「大丈夫、さゆは頑張りすぎたんだよ。今は俺がいるから大丈夫」

奈々の声が薄っすらとしか聞こえない。でも何か安心するようなことを言ってくれてるんだろう。

少ししたら落ち着いてきたと同時に眠気がきた

抗うように暴れる

でもそれから間もなく寝てしまったようだ。


目が覚めると奈々の膝枕で寝ていたようだった。

奈々は普通に仕事をしていた。

「あ、おきた?もうすぐ終わるからね」

「奈々…まだ頭の中がおかしいの、ぼーっとするの」

「それは大丈夫だから。つらかったね」


その日からたびたび、私はパニックを起こしては奈々に救われた。

「んー過去のトラウマを無理やり自分で封じ込めてるんだからしょうがないよね」

智は頭を撫でてくれる

「もーあざだらけよ、暴れるもんだからさぁ」

「奈々、ごめんね…」

「いーんだよそのくらいさせとけ」

智は少し笑うと奈々の頭も撫でた。


「このままじゃ奈々に捨てられちゃう」

「もう一回、言えるもんなら言ってみ?」

口を塞いで舌が入ってくる。何とも言えない心地よさに目を閉じかけた


「ちょっとまって智の前なんだけど!?」

「えー?俺はきにしないけどー?なんなら仲間にいれてくんない?」

にやにや笑いながらジーっと目を見られてすごく顔が熱い


「奈々ー俺にもさせてよー」

「ダメに決まってんだろ」

「俺とはするくせに」

奈々に軽くキスをすると智は満足げに笑った


「浮気だー」

私も茶化して笑う

奈々はほんとうに茶化されると弱くて顔を赤くする


「話し戻しちゃうけどさ、しょうがないよ。さゆちゃんが落ち着くまでつきあうしかないな。」

「わかってるけど苦しそうなさゆをみるのがつらいな…」

「じゃあ俺んちにさゆちゃんしばらくあずかろうか」

「それは絶対にいや」


私のせいで奈々が大変な思いをしてる…

そんなの私もつらいよ


「智のところに行こうかなぁ…」

ぼそっといったのに奈々には聞こえていたようで

「さゆ、後で覚悟しといてね」

お仕置きの宣言をされた。今夜も大変そうだ。


こうして、私は私と向き合うときがきた。




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