（二）-8

　無視して押し通ろうとする男の肩を、もう一人の赤地のガラシャツを着たチンピラが掴んだ。

　すると、赤地のシャツのチンピラは、男が右脇に手を突っ込むのを見た。次の瞬間、パンと大きな音が鳴った。二人のチンピラは何が起きたかはわからなかったものの、音の大きさに驚いて、思わずびくっとなった。

　そして次の瞬間には、この男は赤のチンピラの方に小さい拳銃を突きつけてきていることに気づいたが、そのときにはもう一度、大きな音が鳴った。


（続く）

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