(三)

Tシャツ姿の若者二人が倉庫の中の荷物に並んで寄りかかり、タバコを吸っていた。

「あんな子どもを連れてきて、ボスはどうする気なんだ」

 黒髪の若い男が中国語で尋ねた。

「さあな。王さんには何か考えがあるんだろう」

 髪を金に染めた若い男が中国語で答えた。

「考えって?」

「お前、王さんがどんな人か知らないのか」

「IT企業の会長やってる金持ちのじいさんだろ」

「表向きは、な。裏では華人コミュニティのボスなんだよ」


(続く)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る