(二)-11
*** *** ***
正司は雑居ビルの狭いエレベーターに乗り込んだ。そして五階のボタンを押すと、すぐに拳銃のシリンダーを横にスライドさせて、空の薬莢を床に落とした。そして背広のポケットから38スペシャル弾を取り出してシリンダーに装填していった。
五つ目の装填を終えてシリンダーを戻したところでエレベーターが五階に到着し、ドアが開いた。
ドアの向こうには、開襟シャツに背広姿の男が立っていた
正司は即座に撃鉄を起こし、相手の男に向けて引き金を引いた。
うめき声とともに男が倒れるとその後ろにはもう一人男が立っており、中国語で何かを大きな声で言いながら近づいてきた。
正司はこの男にも発砲する。この男は胸を撃たれたものの、正司の方に向かってきたので、拳銃を持ったままの拳で男の顔面を力一杯殴りつけた。
男は背中から通路部分に倒れ込んだ。そして正司は数歩の所にある「西葛西貿易会社」と社名のシールが貼ってあるドアの前まで来てそれを開けた。
(続く)
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