(二)-15
*** *** ***
正司は再び車を、交通量の少なくなった都道に沿って西に走らせる。一つ先の交差点の信号が黄色に変わる。正司はアクセルを踏む。速度計は既に法定速度を四〇キロも超えている。
信号が赤になる。左右を横切る道から車がまばらに飛び出てくるが、正司はタイミングを計りつつ、交差点に進入する。左右からクラクションを鳴らした車が急ブレーキをかける音が聞こえるが、すぐに遠ざかる。
「待ってろよ、唯」
正司はそう呟くと、さらにアクセルを踏み込んだ。
(続く)
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