(二)-13

「俺の娘はどこだ」

 撃ってきた男は銃口を男に向けながら日本語でそう尋ねてきた。しかも手にしている拳銃は、銃身の短いリボルバー式だった。日本の警察官が所持している、ニューナンブという拳銃だった。こいつは警察関係者なのか。

「知らない、何の話だ。お前の娘どころか、お前を知らない」

 男が日本語で短く答える。

「ウソをつけ」

「嘘じゃない。俺、何も知らない」

「ではお前らのボスはどこだ?」

 男がそう言うと、相手はさっき撃たれた仲間の首根っこを左手で掴み、無理矢理立ち上がらせた。そしてその額に銃口を当て、撃鉄を起こした。

「言え! お前らのボスはどこにいる!」


(続く)

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