あなたと私と娘
筑紫榛名_次回5/11文学フリマ東京
(一)
「様子はどうだ」
海上輸送コンテナの上で腹ばいになり狙撃銃のスコープを覗いている黒づくめの男の耳に、フリーハンズの携帯からインカムを通じて中国語の音声が響く。
「ひざまづいている女に、男が銃をつきつけています」
男が静かに答える。
「その女がターゲットだ。そして男に殺させる」
「上手くいきますかね」
「ダメだった場合は撃て。頼むぞ、元北京市警雪豹突撃隊員」
「了解」
スコープの中は緑色の景色が見えた。コンテナの谷間で髪が長くスーツ姿の、膝立ちの女が何かをしゃべっている。男は小さいリボルバー式の拳銃を女の額に当てている。
(続く)
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