第8話 ワタシ色が増える。

何だか大切なことだけど、今はどうでも良いような取り留めも無いことを考え出しそうになった時、羽ばたきが聞こえた。


ハッとして我に返ると、八咫烏様が相変わらず音だけの無風の羽ばたきを繰り返していた。


無風なのに花びらが辺り一面を舞っていて、とても幻想的な風景が広がっている。


えっ?花びら?それも色とりどりの?一体何処から!びっくりして辺りを見回す。


だって此処は辺り一面草原で、緑色の葉っぱしか見当たらなかったのに!?


それに何だこれ?色は違うけど、みんなワタシの分身の様な花々だ。


頭にでっかい?マークを浮かべたまま、視線を感じてそちらを向くと、八咫烏様が深々とお辞儀をしていた。


驚いて辺りを見回すけど、誰もいない…。もしかしなくても、ワタシにしてるのかな?


八咫烏様はワタシの視線に気がつくと、お辞儀をやめ翼を広げてふわりと舞い上がった。


えっ!なに?羽ばたきなしで飛べるなら、さっきまでのは一体何の為のパフォーマンスだ(笑)

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