第11話 ワタシ妄想する。
大好きな桜の花に会えてご機嫌に揺れるワタシを、鹿さんはひたすらジッと見つめてきた。
ジト目では無いと思いたい…。
そして、おもむろに顔を背けると、長い長いため息をそっと吐き出した。
えっ?何々?そのしょうがないな~感。ワタシ?ワタシが悪いのかな?
今度こそ、本当に鹿さんはジト目で見てきた!
心持ち見つめ合う。ワタシに目はないので。
確かに鹿さんの立派な木の枝のような角が、どうしても木の枝に見えて、
花好きなワタシとしましては華がほしいなぁ~なんてほんの少し、本当にほんの少し、花びらの先っちょ位思っただけなんですけども…。
あっ、その花びらって、水晶のツノに触れた花びらだった?かも?
気持ち、そっと目をそらして、口笛を吹く。
ぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅ~
ガサッとした音で向き直ると、鹿さんは前肢を折り畳んで、またもやワタシに水晶のツノを差し出してきた。
ワタシは気持ちため息を吐く。
あなたも懲りませんね~何が起きても知りませんよ?ワタシは一切の責任を放棄します!
その時に、目を伏せた鹿さんの睫毛がすごく長くて綺麗で、その睫毛に小振りな花飾りを~なんて一瞬想像したのは内緒だ(笑)
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