第10話 ワタシ花見をする。
何だろう?触れた瞬間、リーンとした波紋がツノの先と花びらの間から生まれて、身体の隅々に拡がっていった。
例えるならエコー検査みたいな感じだろうか。もしくは水面に触れた感じ?
お互いの隅々まで行き渡ると戻ってきて、また身体の隅々に行き渡っていく。
お互いにお互いの身体の仕組みを理解して、同調修正させるために波紋が拡がってく感じ。
いつの間にか波紋に耳を澄ましていたのか、閉じていた目を開くと其処には満開の桜の花が咲いていた。
鹿さんが顔を動かす度に桜の花も揺れる…。
鹿さんの立派な木の枝の様な角に、満開の桜の花が咲いていた。
えっ?なにこれ、毎日大好きな花見ができるとか、控えめに言っても最高じゃないですか!
けれど、鹿さん、不満そうに顔をブルブルッと振った。
あぁ~まあね?ワタシも自分で自分の姿なんて確認できませんし?
ワタシには瞳なんていう鏡の役割になりそうなものもありませんからね。
あっ、そうだ水飲む時なんかに見れるじゃないですか!今からでも見に行ってみたら良いじゃないですか!
どうやら、ワタシの影響が予想外の現象を起こしてしまったみたいなので、必死にフォローしてみた(笑)
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