第9話 ワタシ無心になる。

八咫烏様はワタシの頭上を何度か旋回すると、そのまま上空へと消えていった…


えっ?帰るのは宇宙ですか?そうですか。また会えるかな?会いたいな。


そして、またちょっと宇宙を旅してみたい…自称花は好奇心旺盛だ(笑)


そんな取り留めもないことを考えながら空を見上げていると、ガサッと音がしたと思ったら水晶鹿さんの鼻先がまたもやヌッと現れた。


さっきもちょっと思ったけれど、何かタイミングが良すぎやしませんかね?


もしかしなくても、八咫烏様を呼んだのは鹿さんなのではないですか?


もしかして鹿さんもど偉い存在様なのでしょうか?


まぁ、だからといって、ただの花にはあまり関係の無い、結構どうでも良いことのような気がしないでもないけれど。


知っているのと知らないのとでは、後々何かあったときに微妙な差が…


などと考えていると、鹿さんが水晶のツノをさしだしてきた。


あっこれ知ってる。また触れなさい系ですよね?


今度は何が起こるんだろ?まぁ、何が起きても一介の花風情が対処できる術なんて持たないのですが。


心を無にしてそっとツノに触れた花びらの先が薄い桜色をしていた。

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