宿星花

月野薔薇

第1章 はじまり

第1話 ワタシ草原に咲く。

生まれ変わったら花になりたい。


今の時期は桜や梅、木に咲く花も綺麗だし、バラやヒマワリなんかの大輪の花も好き。


でも、何も考える必要なく、タンポポの綿毛の様に、風の吹くまま気の向くままに、緑豊かな大地に着床して、自然に身を委ねながらのんびり生きてみたいな…。


そんなことを思いながら眠りついた。


爽爽と頬を撫でる優しい風。

ぽかぽかと暖かい陽射し。


目が覚めると、其処は緑豊かな大草原だった。


惜しむらくは、ワタシの身丈では、視界が低くて、空と辺り一面が緑の絨毯らしいことしかわからないこと。


後は、ワタシは花を希望していたので、自分のことを花だと思っているけれど、自分で自分の姿の確認はできないので、そこは仮花ということで(笑)


そんな取り留めもないことをのんびり考えていると、突然ヌッと動物の鼻先が現れた。


立派な角を生やした牡鹿のような?生き物だ。


何故、のような?かというと、額の中央に綺麗で真っ白な、ユニコーンのようなツノが生えている。


あれ?角にツノ?角が2種類?

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