第14話 ワタシ哲学する。

鹿さんは水面を歩いていた…。


てか、これは本当に水なのかな?


何だか一面ぼんやり光っている…。


後、空。八咫烏様が、宇宙に帰られる時に、実は気がついていたのだけれど、できれば気がついたことを忘れていたかった。


何処までも何処までも続く青空。


あれから鹿さんはずっと歩いている。


時折休息がてら草を食んだり、水を飲んだりする以外はずっと歩いている。


にもかかわらず、青空が続いている。


此処には昼も夜もない。


そう、太陽もなく、月もない。


昔テレビで見た星は青かった。


それは地上の水が宇宙の色?を反射して青く見えるのだとか言っていた気がする。


その反射には太陽の光が必要で、本来は太陽の光が届かない面は真っ暗なはずの世界が明るいのは、月が太陽の光を反射しているから…


では、太陽も月もない此の世界を照らしているのは何なのか。


鹿さんのツノに触れた時、わかったことがある。


水晶鹿はワタシの知っている鹿という動物の形態をとってはいるけれど、それは外郭だけだということを…。

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