第5話 ワタシ勘違いする。

うん、ごめんなさい…


あなたのこと、鷹や鳶や鳥みたいな生き物だなんて思って。


だって一瞬で通り過ぎたし、あっという間に点になるような、結構遠くまで飛んで行ってたし。


上空で旋回してた時も、光の加減で?真っ黒なお腹と大きな翼しか見えなかったし。


あれ?そう言えば、此の世界の光って…ふと目の前の現実から逃避したくて、再度空を見上げようとして、諦める。


何かね?目の前に真っ黒い鳥改め、カラス改め、八咫烏様がいらっしゃるんですよ…


それで、ワタシの気が逸れようものなら、もうね?ズモモッ~て黒い霧?みたいなものが効果音付きで噴き出しているんじゃないかと思える位には、邪悪でおっかないです。


何故そんな状況になっているのかと申しますと、あの後、再度襲ってくるのかと思いきや、バッサバッサと羽音を立てながら、ワタシの目の前に降り立ちました。


ちなみに、羽音だけで無風という、謎な現象付きで。


それからどうなったかと申しますと、羽根を丁寧に折り畳んだ後、3本の脚でチョンチョンと歩きながら?近づいてきて…。


そしてまたまた、既視感。


水晶鹿と同じ様に頭をお辞儀のように縦に振り、その場に脚をしまいうずくまり、ジッとワタシを見つめてきます。


ワタシが風に吹かれて左右に揺れると、右の眼と左の眼で交互に見つめながら。


なにこれ、ちょっと可愛い(笑)

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