善なる罪

人工知能を悪用した詐欺事件が起こる。
電脳査察官の川端ユウは、この犯罪の原因を調べる仕事を始める。

第31回電撃小説大賞用あらすじ

電脳査察官の川端は、詐欺事件に使用された人工知能について調査することになる。二〇〇〇万円相当の電子マネーを詐取した人工知能は、何故かそれを無数の口座に分配しており、そのままそれが現金化される様子はなく、分散したままである。押収された人工知能が収まっていた端末も、故人が契約した物件に置かれて無人で維持されており、所有者も不明で、この詐欺事件に人間が関与している気配が薄い。人工知能の誤作動か、それとも人間による人為的な操作の結果か、不鮮明なこの事件について、川端の友人の鶴見が興味を示し、鶴見は面白がって川端から事件のあらましを聞くことになる。川端はこの事件が人工…続きを読む