母音を重ねる

「永遠」のような発音の、母音が続くのが英語話者には難しい、と聞いたことがある。えいえん、えーえん。どちらでも伝わる。これが難しいらしい。

 例文として「東欧を覆う(とうおうをおおう)」とか難しいらしい。とーおーをおーう、というこの伸ばし棒の部分を聞き取るのが。文字にすると謎だが口に出すと普通にわかる。なんでわかるんだろう。


「過去」「加工」「括弧」「恰好」の違いも難しいのだとか。

 確かに、えいえんがえーえんで通じるのに、かこ、かっこ、かこう、かっこうを区別しているのは意味がわからない気がしてきた。


 だいたい、「うん」がYESで、「ううん」がNO、「うーん」となると考え中。などという言語、意地が悪すぎる。そんなにも白黒つけたくないか。

 曖昧をよしとする国民性がそうさせたのか、そういう言語が国民性を作ったのか。

 そういう日本語の排他的で内輪ノリなところを知るたび、めちゃめちゃ笑うし呆れるし嫌いになるし愛せるし申し訳なくなる。さすが極東の島で二百年鎖国しただけあるなと思う。極めすぎ。


 台湾に行ったとき、屋台でのやり取りを見ていて中国語は商売に適した言語なんだと思った(台湾語は台湾語でありますが)。騒がしかったり邪魔なものがあったり、落ち着いて話せない状況でも簡潔に伝えやすい言葉だと思った。

 日本語は、静かな部屋で落ち着いてじっくり話す用の言葉だ。例えばフランス語は愛を囁くための言葉、と言われるけど日本語もそういうタイプの言葉なのだろう。フランス語が愛なら、日本語はなんだろう。礼儀、とかだろうか。


 話逸れますが、なんとなくイメージとして、韓国語も英語や中国語に近い自己主張のしっかりした言語だと思っていたけど、最近韓国のバンドのライブを二つほど見たら少し違った。

 若者特有のものなのかもしれない。ステージ上からのMCでも、ボディランゲージもそれほどなく、どちらかといえばぼそぼそと、抑揚をつけない話し方に感じた。アメリカ人的なポジティブさと自信よりは、むしろ日本人が親近感をもつ控えめさがあった。まあこれはわざわざ日本にライブに来てくれるバンドだからというのもあるかもしれません。

 母音の話どこいった?



※様々な国を引き合いに出しましたが、特定の民族や言語をあげたりさげたりする意図はありません。万が一そのようにとれる箇所があればご指摘いただけると幸いです。学びます。

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