料理
俺はフレンチトーストを作るのを失敗したことのある人間だぜ。
みんな料理は好きですか?
最近トマトとモッツァレラチーズのパスタを失敗した。トマトとモッツァレラチーズが合わさって美味くならないわけないだろというその慢心がいけなかったらしい。トマトとモッツァレラチーズだけをそのまま食べたら良かったなと思った。調理部分がすべて余計。
フレンチトーストはもっと単純な話で、砂糖を入れ忘れた。フレンチトーストに砂糖を入れ忘れるとただの卵焼き味のパンになります。
味見をしておけば失敗はしないと料理のできる人は言う。
でも味見をしたところで何の味が不足しているのか、何を足せば良くなるのか、わからない者にはそれがわからない。
味が薄いと思ったときに足りないのが、塩なのか醤油なのか出汁やコンソメなのか。
レシピでよくある「塩で味を整えます」とは、実際何がどう整うのだろう。ナビが「目的地周辺です」と案内を終了した後に道に迷うやつに似ている。
湯に塩を入れ忘れて茹でてしまったパスタは、どこか素朴なソフト麺の味がしてそれはそれで悪くない失敗だった。
必須とされていることをやらないとどうなるか、一個一個試してみるのは料理に限らず学びの基本だ。水気を切る、という工程をすっ飛ばして野菜をフライパンへ入れると大変なことになるとか。粗熱はやっぱり取った方が指を火傷しないとか。
実家を出て、調味料を自分で選ぶところから料理をするようになって、今まで自分が好きだと思っていた味のほとんどが、めんつゆ・白だし・ごま油、のどれかの味だったことに気づいた。
煮物や汁物に「ほっとする~」と感じていたのは白だしの味だった。
めんつゆをかけるとだいたいのものは旨い。
まさかネギ塩の美味しさは、ネギでも塩でもなくごま油の味だっただなんて。
他にもバターチキンカレーの味がバターとチキンだけでなくトマトとヨーグルトが比重を占めていたのも驚きだった。
料理が趣味の友人が外で食事をしながら「この味は何が使われているんだろう」と調味料や調理法を推測し、自分で再現しようとしているのを初めて見たときは発想に衝撃だった。
耳コピ(楽譜を見ずに聞いて弾く)ならぬ「舌コピ」って言ってた。
自分も、先日実家でご飯を食べた際に
「これって味付けは、出汁と塩?」
「最後に醤油ちょろっと」
「薄口醤油?」
「いや普通の醤油だよ」
って親と会話をしたのは、なかなかレベルが高かったと思う。「醤油が薄口醤油かどうか」を質問するのレベル高くないですか。
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