夜型

 筋金入りの夜型である。

 昔から寝付きが悪く、寝起きは修羅場だった。

 社会人としてやっていけるのかと親を心配させていたと思う。自分でも思っていた。


 ちゃんとやっていけているので安心してほしい。平日は週五できちんと通勤している。土日の二日で、きっちり昼夜逆転する。月曜に無理矢理調整している。


 寝付きの悪さは、社会人になってめでたく解決した。寝不足なので寝ようとした瞬間に寝付いてしまうのである。気絶である。


 寝起きが良くない。朝に弱い。

 朝に強い人間の発言に、「寝起きにカツカレーでも食える」みたいなのを聞いたことがあるが、自分の場合はそれを食える食えないの次元ではなく物を食うという人間活動ができないと思う。あるいは逆に「寝起きにカツカレーは重たいなあ」という思考ができないので出されたら食べてしまうかもしれない。

 寝起きドッキリをされない人生だっただけでも芸能人ではなくて良かったとも思う。


「朝型夜型質問紙」という診断がネットにある。

 一応ちゃんと社会人やってるし大丈夫だろう、と思って正直に答えていった結果、ちょっとさすがに不安になるくらい得点が悪く、ああ他の人はここまでではないのかと実感した。ほぼ最下位のグループだった。別に全部の回答で深夜を選んだわけではないのに。

 その結果をスクショしていた時間が午前一時半なのもダメだと思う。(そしてこの一文を書くのに「午前一時半は言及するほど遅くないのでは」と迷いがあったのもダメだ。)


 生活リズムがめちゃくちゃなわけではない。規則正しくできる。できるんですよ。無理に朝型に合わせるから乱れる。

 朝四時就寝、午後一時起床、が自分の体の一番自然なリズムだってことはわかっているのだ。学生時代の長期休みにやったし、この前の年末年始もそれに近い生活ができていたと思う。どんな年末年始?


 朝型夜型というと、起きる時間寝る時間ばかりに目が行きがちだけど本来そこではないと思う。

 前述の朝型夜型質問紙の質問には

「こういう活動をするならどの時間帯がいいか」

「この時間帯の活動を続けることはどれくらい可能か」

 という趣旨の質問があり、つまり最もパフォーマンスの上がる活動時間というのは人によって違うということなのだ。


 まあこれはいちゃもんなんですけど、午前十一時に書いた小説と深夜二時に書いた小説なら深夜二時に書いた小説の方がいいだろという気持ちがある。


 J-POPの歌詞に登場する時刻で一番多いのは午前二時で、一番少ないのは午前十一時らしい。午前二時。見えないものを見ようとしてるのかもしれないね。

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