朝ご飯論理

「朝ご飯論理」と勝手に自分だけで読んでいる考え方がある。


「毎日朝ご飯を食べる小学生は学校の成績が良い」


 そりゃそうでしょう、と思うだろうか。

 いやいやそんなことないよと思うだろうか。


 何の話かというと、これは朝ご飯と成績の関係の話ではない。

 毎日朝ご飯を食べる小学生は学校の成績が良い、という仮説があったとして、これは

「子供に毎朝ご飯を食べさせる親はそれだけ子供の教育にも熱心で、結果的に子供の学校の成績は良い、という可能性もある」

 という考え方もできるよねという話。

 本当に朝ご飯と成績の因果関係を知りたければ、絶対朝ご飯を食べさせる小学生と、絶対に朝ご飯を食べさせない小学生のグループをこちら側で作って比べなければならない。

 小学生というのもポイントだと思う。


 この考え方は結構汎用がきく。

 朝ご飯と子供とその家庭、をいろんな場面に置き換えて使える。よく使うので自分の中で名前を付けて呼んでいる。根が単純で「そうか、やっぱり朝ご飯はすごいな!」とすぐなりがちな人間なので大変助かっている。

 教えてくれたのは高校一年の現代文の先生の、授業中の雑談だった。興味深い雑談の多い先生で授業が楽しかった。この話が一番よく覚えている。

 おそらく統計学の考え方に繋がるのだろうなと興味を持ちつつ、未だ朝ご飯の話で完結している。ごめん先生。


 似たようなのは他にもある。

 名前は付けていないが(付けなくていい)例えば、

「宝くじに当たった人の多くが、良いことがあったときに宝くじを買っていた」

 これは、当選者だけに多いのではなく、そもそも宝くじを買う人というのは全体的に良いことがあったときに買う人が多い、というだけの話である。良いことがあったときとそうでないときの当たりやすさに、本当に関係があるかどうかはこれだけではわからない。

 関係を知りたければ、当たった人にだけ多い特徴を調べなければいけない。


 これも間違いなく統計学の話だったと思う。これもあらゆる場面で使える。特にテレビを見てるときに便利だと思う。

 ありそうでしょう、「ついに判明! 宝くじ当選者の○%は○○のときに購入していた!」みたいなやつ。まあ、宝くじの話くらいなら、いいのですがね。

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