ふるさと納税ガチ勢

 お得なおすすめの返礼品情報を期待されてここを開いてくれた人には申し訳ないがそういうのはないです。


 ふるさと納税をそのまま文字通りに認識しているので、東京生まれの自分は、心のふるさとである祖父母の家のある九州の片田舎に貢いでいる。

 ふるさとに対してガチ、あるいはガチでふるさとに納税しているつもりの人という意味です。


 良い肉やフルーツ、焼酎などを試していった結果、最近は米とアイスが定番になっている。


 米にした理由は、馴染みの田舎に田んぼが減ってほしくないから。ふるさとに対してガチなのでこういう理由で選ぶんだよ。

 米は寒い地域の方が美味しいというのは知っている。でもふるさと納税で食べるふるさとの米も美味い。


 そしてファンのアイス屋がある。

 アイスっていうか、アイスクリン的なあれ。バニラではない昔ながらの味の、手作りの味の、あれです。逆に懐かしい、とかではなくおそらくずっと作り続けていたら一周回って新しくなったタイプの店っぽい。絶対今後も作り続けてほしいので選んでいる。

 クール便で送られてくるアイスの詰め合わせは、簡素な包装、洗練されすぎないお店紹介の地図に加えて、なんと「お近くにお越しの際はぜひ」と店舗で使えるドリンク一杯サービス券というお得券が同封されている。

 行けなくてごめんという気持ちになる。もはや最近顔を見せられていないばあちゃんに対する申し訳なさだ。まだ一回も行けてない。


 モナカアイスの中身は99%真ん中にしか入っていないのはご愛敬である。長距離輸送を想定した容器ではないので、届いたカップの蓋が一、二個開いちゃってることがあるのもご愛敬である。

 こちらは東京にいながら食べられることに感謝するのみなのだ。去年も年末ぎりぎりに注文してしまい申し訳なかった。大晦日の二十時過ぎにカップ十六個セットの注文が入ってお店が大変ではなかったか心配。いや、案外わんさかバイト雇って機械化されているかもしれない。


 東京の小売店で買えないところも重要である。

 普通に売ってる値段を見てしまうとどうしても、ふるさと納税が割高に見えてしまう(そもそもアイスに払っているわけではないのに)。

 現地でしか買えなければそうはならない。自分の中では、ふるさと納税の金額がこのアイスの「相場」なのだ。

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