「凸る」ってネットスラングのことをずっと「でこる」って読んでいた。凸凹(でこぼこ)の「でこ」の方だから。音読みかよ。

「電凸する」は「でんでこする」って。

 でんでこ……


 ネットスラングをほぼテキスト上でしか目にしないので、実際口に出すとそのワードが急にリアルに現れたことにびっくりしてしまう。実在している?! みたいな。凸るをリアルで口にすることなど滅多になくていいですが。

 写真でしか見たことのない人を生身で見たような感じだ。


「凸る」と既にある文字を後から読むのとは違い、「と」「つ」「る」と口に出すあるいは耳で聞くとき、その言葉には時間の経過が含まれている。「る」と発音したときにはもう「と」は消え去っている。自分の時間と並走している。(例に挙げる言葉がよりによってすぎる。)


 文字にして読ませる言葉と口に出す言葉は、本来全然別のものだ。それを私たちは紐づけている。

 そう考えるとオーディオブック(否定するつもりはないが)は読書の代わりではないのでは。


 ドラえもんの道具コエカタマリンの回で、のび太が「凸凹」を連呼してパズルのように壁を作ってピンチを切り抜ける展開があったと思う。この漢字を目にすると最初にそれを思い出す。

 凸凹という漢字ほど「それアリなんだ」感のある漢字もそうないんじゃないだろうか。外人に見せたい。「アリなんだ」ってウケてほしい。


 コエカタマリンで出してみたい言語はハングルとアラビア文字です。アラビア文字、カタマリになってもすぐとっちらかって戻せなさそう。


 コエカタマリンを検索したら「「コエカタマリンをApp Storeで」って検索結果が表示されてマジで未来が来たのかと思った。

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