概要
謎めいた貧しい女性咲良に涼真は契約結婚を持ちかける。
しかし、彼女には誰にも言えない秘密があった。
*「あの娘が空を見上げる理由」のネタバレを含みます。ご了承の上お読みください。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!男前の涼真社長にハートをわしづかみされろ!
これは『あの娘が空を見上げる理由』のスピンオフ作品です。
主人公の一人は『あの娘』の木材卸会社 木寿屋のイケメン社長、九条涼真。もう一人は、仕事も熱心、英語もペラペラ、しかも涼真の想い人だった美葉に良く似た美人の畑中咲良。
忘れられない女性に似た咲良に興味を持つが、それを契約結婚という短絡的な形で成就させようとする涼真に、咲良は高潔な NO を突きつけます。それを初めて恥ずかしいと感じる涼真。そこから彼が変わってきます。
前作では正人を忘れられない美葉に敢えて別れを告げて、彼女の恋を後押しする大人の男に成長した涼真ですが、今作では更に男らしくなり、咲良を大切に思い、頭を使い、身体を張って彼女…続きを読む - ★★★ Excellent!!!極上のラブ・サスペンスをあなたに
英語が堪能な明らかに「ワケアリ」を匂わせるクリーンスタッフのヒロイン、咲良。
ヒーローは老舗の材木の卸を営む会社のクールなイケメン社長、涼真。
ひょんなことから出会った二人は身分違いの契約結婚の約束をしますが、いや、もうくっついちゃえよとツッコミが止まらなくなるほど互いに惹かれあっていきます。
ですがそうは問屋が卸さない! その時、暗雲が忍び寄ります。そう、ヒロインの過去が。
キャッチコピーをご覧になれば、ああ、何かあるのだな、嘘とは? そう、ここからじわりじわりとサスペンス要素が読者を羽交締めにしていきます。
もうそうなれば、このストーリーから離れることができなくなります。
複雑な人間…続きを読む - ★★★ Excellent!!!現代のシンデレラストーリーはサスペンスの香りと共に!
クリーンスタッフとして働く女性が、社長と契約結婚。次第に二人は心を通わせていき、やがて真実の愛が芽生える……?
と、本作はそう簡単には終わりません!
現代のシンデレラストーリーであることは間違いありません。ですが、本作の最大の魅力は、ストーリーの根幹に複雑な人間関係が練られていることだと思います。
主人公の咲良と涼真は、それぞれ心の内に根深い問題を抱えています。
ネタバレになってしまうので詳細は書けませんが、彼らの過去が少しずつ明らかになっていく過程で、物語はサスペンスの香りを漂わせ始めるのです。
読者は、二人の恋愛模様にジレジレしたりニヤニヤしたりしながらも、過去に起こった事件の真相…続きを読む - ★★★ Excellent!!!何度でも読みたくなる、身分違いの美しい恋
この物語を途中まで読み進めたとき、
はっとしてまた1話から読み返している自分がいました。
美しい文体、よく練られた構成、京都という私の大好きな土地(笑)で、
身分違いの結婚をする二人の運命を、最後まで見届けたくなります。
私が再び最初から読み返そうと思ったのは、物語の大筋を知った上で、
文章の端端に散りばめられている伏線や細かな表現を、もう一度感じたいと思ったからです。
それぐらい、激推ししたい作品。
この物語に出会えてとても光栄です。
恋愛だけでなくミステリ要素もあり、さまざまな人物たちの意思が交差しているところは本当にお見事としか言いようがありません。
素敵な作品をありがとうございまし…続きを読む - ★★★ Excellent!!!もう二度と人を愛することはないと信じていた
一度は愛すべき人と出会いながら、己の過去と向き合えず、自分には愛する資格がないと手を振り払い、愛した人を戻るべき場所に送りだした。その代償に己の感情を誤魔化し、創業する会社の歯車となり偽りの日々を送る男。
自分の過去の呪縛から愛される資格がないと過去を隠し、ただひたすら陰を歩いて幸せになることを見失った女。
二人の出会いは他愛もないことであった。そして二人が結ばれるのも、ただお互いの利害のためだった。男は、創業する会社の跡取りを得ること、女はその跡取りを生むことで報酬を得ること。形だけの結び。それが終われば、もとある生活に戻る。そのはずだった。
だが、男と女の運命はそう容易くは…続きを読む - ★★★ Excellent!!!この雨は止まなくてもいいのかもしれない
一読し、全ての真実を知った後もう一度最初から読み返すと、多くの印象的なシーンがガラリと色を変える、底知れない奥深さを持つ御作品です。
特にほとんどの主要登場人物が意外な本性や正体を隠しており、ストーリーの主軸と密接に絡んでいるため、「もしこの人の立場や考え方が違っていたら、結末はどうなっていたのか…」などと、想像が尽きません。
予断を許さない緊張感溢れる展開も緻密な構成に収束され、この上なくスッキリと気持ちの良い読後感を得ることができます。
特にタイトルになっている「日なた雨」が秀逸極まりないです。ネタバレにならない範囲で申し上げますと、第四章のラストと第五章のラストは、どちらも美しい光の…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ラブストーリーでありながら、極上のミステリーも味わえる贅沢な物語
最後まで見届けたので、やっとレビューが書けます。
途中からハラハラしすぎて心臓が痛かった!
創業百六十年の木材の卸会社木寿屋の社長涼真とクリーンスタッフの畑中咲良の、シンデレララブストーリー。
立場の違う二人がどんどん近づいていき、甘い雰囲気になったかと思えば、咲良の暗い過去が忍び寄る。
途中、読むのが辛くなるシーンもあるかもしれませんが、最後は読者を満足させてくれると信じて読み続けてください。
作者さんはストーリーテラーでもありますが、言葉のチョイスや表現力が秀悦で、ちょいちょい立ち止まっては言葉をかみしめてしまいます。
ぜひ、ハラハラしながらも、素敵な言葉を発見する喜びを味わって…続きを読む