その愛は切々と二人に迫る。そしてサスペンスもまた……。

青年社長・涼真は、クリーンスタッフの女性・咲良を見初めた……契約結婚の相手として。
しかし契約結婚という間柄でありながら、二人は互いを想い合うように――。
ここまで来れば、華やかで淑やかな恋愛ストーリーの展開を予期されるかもしれませんが、さにあらず、二人の出自、レーゾンデートルにかかわるような事態や事件が露見し発生し、互いが互いへの気持ちを抱きながらも……というのが、現時点でいえる、ギリギリのラインです。

華やかではんなりとした、京都の社長とクリーンスタッフとその周辺のやり取りにやきもきしていたと思いきや、まるでボディブローのように彼と彼女の「根っこ」にかかわる思い話が展開されます。
しかもそれで「読ませます」。
つづきが気になって仕方ありません。

ぜひ、ご一読を。

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