第19話 追求されているんだが
「いや待て待て、え?一昨日出会った女とあんな仲良さげに学校に来てたのか?」
「まあそういうことになるな」
「お前よく2日であそこまで距離近づけることができたな」
「まあ色々あったからな」
「色々ってなんだよ、もしかしてヤッたのか?おい!なんか言えって」
うん、
「落ち着けって。まずな、俺は一昨日放課後に補習を受けていたんだ」
「お前ついに補習を受けることになったのかよ。落ちるとこまで落ちたな」
「うるせぇ」
「そろそろ勉強し始めないとやばくないか?あと1年ちょいで受験だぞ」
「俺もそろそろやんなきゃなって思ってるとこ」
「それで補習の時になんかあったのか?補習で一緒になった女の子と運命の出会いを果たしたとか?」
「そんなんじゃないよ、補習は大きなイベントもなく終わったんだ。問題はその後なんだよ。俺が家に帰ろうと思って校門を出ようとした時にさ、ふと後ろを向いたのよ。したらさ、学校の屋上に人が立ってたんだ。そしてそいつはどう見ても自殺しようとしているわけよ。それで俺はいてもたってもいられなくなってさ。全速力でそいつを助けるために屋上に向かったんだ。って今泣くとこあったか?」
「いや、
「いやどういうことだよ」
「
「うん、多分俺の中で何かが変わったんだと思う。それもこれも
「ちょっと照れるな」
「それで屋上まで向かったらそこに自殺しようしてる女の子がいたわけ。それでなんやかんやあって俺の家で泊まることになったのよ」
「いやそのなんやかんやの部分が知りたいんだわ」
「恥ずかしいから嫌だ」
「そこ渋るなよー」
「だって今思えば俺めっちゃ恥ずかしいこと言ってたなって思ってさぁ」
「一つでいいからさ、なんて言ったのか教えてよ」
「俺がお前のことを救ってやる、そして教えてやる、この世界で生きる意味をって言った」
「そこまで笑うことないだろ」
「いやだって、それは痛いわ
「うるせぇ」
「でもその一言がその女の子を救ったんだろうな。自殺しようとしている時にそんなこと言われたら俺でも惚れちゃうかもしれない」
「お世辞ならいらないぞ」
「お世辞でもなんでもないさ。本当に
「やめろよ照れ臭い」
俺は照れ臭くなり下を向く。
「それで一昨日、昨日とその女の子を家に泊めて今日学校に一緒に来たわけか」
「まあそんなところ」
するとグリプラ内にチャイムが鳴り響いた。
「やっべぇ時間見てなかった、これ以上遅刻がつくと進学危ないんだよ」
「マジかよ、全速力で行くぞ」
俺と
——お願い——
この作品はカクヨムコンに応募しています。
もしよかったら★評価とフォローお願い致します。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます