第8話 夕飯を作りたいんだが
スーパーから出てしばらく経ったあと、俺はまだ
「ごめん、手引っ張ちゃって。嫌だったよな」
「あったかい...」
「ん?なんか言ったか?」
「なんでもない...」
「夕方になると流石に寒いな」
「そうですね。もう10月ですから。これからもっと寒くなりますよ」
「...」
「
「一応勉強してますよ。昨日はできませんでしたが」
「...」
「
「
「...」
まずい、流石に話すことがなくなってきた。
そりゃあそうだ。知り合ったのだって昨日の夜のことだし話すことがなくなって当然である。行きはあんなに短かったスーパーの道だって体感2倍くらいあるように感じる。
「そういえば夕飯なに作るかわかったか?」
「オムライスですよね」
「すごいな、よくわかったな」
「いや、鶏肉と卵買ってるんですからわかりますよ」
「流石に分かるか」
「私だってオムライスぐらいは知ってます。弟の大好物なんですよ、オムライス」
「
「それが...私実はあまり料理が得意ではなくて...」
「え、意外。
「あんまり茶化さないでください...恥ずかしいです...」
「まあ
「そんなことないですよ、
「そんなことないよ、例えば
「
照れくさそうにしながら、
危ない危ない、これ以上見ていると惚れてしまいそうだ。俺は
「
俺と
俺の家のマンションは5階建てで、マンションとは言っているもののアパートに近い感じだ。一応オートロックは付いているからアパートとは違うが。俺の家はそのマンションの4階にある。ちなみにエレベーターはないから引っ越しの時は地獄だった。あんなことは2度とごめんだ。
-----------------------
「ただいまーって、誰もいないんだった」
いつもおかえりと言ってくれる妹がいないのは少し寂しいな。
「それじゃあ夕飯作っちゃうわ」
俺は買ってきた食材をキッチンに置きながら言う。
「私も手伝います」
「大丈夫だよ、そんなに量もないし」
「手伝いたいんです」
珍しく
そういえば明日の昼飯用にじゃがいもとにんじんを買ったんだった。これでポテトサラダとか作ってもらうか。
「じゃあポテトサラダとか作ってくれないか?」
「ポテトサラダですか、作ったことないけど頑張ってみます」
そういえばさっき料理があまり得意ではないって言っていたような...まあ大丈夫だろ。そんなに難しいものでもないし。
「これはなんだ?ポテサラなのに色が黒いんだが」
「違うんです...レシピ通りに作ってたら何故か色がいつの間にか変わってて...本当ですって、だからそんな目で見ないでください...」
「まあ色が変わってからすぐに気づけてよかったよ。これならまだなんとかなりそうだ」
「すみません...私からやりたいって言ったのに...」
「別にもう気にしてないよ。リビングでのんびりしていてくれ」
「本当にすみません...」
「我ながらうまく作れだぞ」
出来上がったオムライスとポテサラを見ながら俺は思う。今までで1番うまく作れた気がする。
「
リビングにいるはずの
「
リビングに着くとそこにはイヤホンをつけながら勉強している
「
俺は肩を叩きながら言う。すごい集中力だ。全く気づく気配がない。
やむをえん、俺はよく妹に使っている奥義を使うことにした。
「
そう言いながら、俺は
「きゃ!」
ようやく気づいてくれたようだ。
「
——お願い——
この作品はカクヨムコンに応募しています。
もしよかったら★評価とフォローお願い致します。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます