第4話 また泊めることになったんだが
目が覚めると知らない天井がそこにはあった。
寝ぼけているんだろうか。私は死んだはずなのに。
ああそういえば、私死ねなかったんだっけ。
まだ頭が上手く回らない中、昨日のことをゆっくりと思い出す。
確かに私は昨日死ぬ予定だった。だけど、いざ死のうとしてみると一気にいろいろな感情が溢れ出してきて死ぬのが怖くなった。私も生まれてから17年間ずっと死のうと思って生きてきたわけではない。友達、先生、近所の人たち、バイト先の知り合い、そして幼馴染。大切な人はいくらでもいる。だけどある日を境に生きるのが辛くなった。何度も死にたいと思った。それも数えきれないほど。だけど私は臆病だから。死にたいと思っても死ぬことはできない。だけど、、、昨日は確かに死ぬつもりだった。覚悟も決めたつもりだった。思い残すことだって、、、いやそれは嘘だ。だって私は思い残すことがあったから昨日躊躇したんだ。
私って本当にダメだな、
私は、そんな自分が嫌いだ。
「おーい、起きてるか?」
すっかり目も覚めていた私は、そんな言葉を聞いた。今は一人でいたい。そう思い私は何も言わずに、布団の中に潜った。
声の主は
「一応、朝ごはん作ってあるけど...って、そりゃあ一人になりたいか」
そう言い、私が今いる部屋からリビングの方へと戻ってゆく足音が聞こえる。彼に迷惑をかけてしまっているのはわかっている。だけど、今の私は彼の好意に甘えていたい、と思ってしまっている。
私ってクズだな、
私はそう思い、眠くもないのに目を瞑る。
目が覚めると、部屋にある時計の短針が上を向いていた。さっき起きた時は左を向いていたはずだから、3時間ほど寝てしまったらしい。
「流石にこれ以上甘えるわけにはいかないな」
そう思い私は重い体を起こし、部屋のカーテンを開けた。どうやら今日は昨日とは違い快晴のようだ。私もこんなふうになれたらいいのにと思った。
「お、起きたか。おはよう」
「おはようございます。ごめんなさい、こんなに遅くまで寝てしまってて」
「全然平気だよ、今日は元々何にも予定なかったし」
「昨日は本当にありがとうございました、それでは、」
そう言い、
「いやいやパジャマのまま帰るなよ、もうすぐ乾燥機終わるからそれくらいは待ってくれ」
「ごめんなさい、今パジャマなの忘れてました、」
そう
「ていうか、帰るってどこにだよ」
「...家に帰ります」
「昨日は止めたが流石の親御さんも心配している頃だろう。だから今日は止めないぞ」
「心配してくれる親なんて私にはいませんよ...」
そう
「それでも、家に帰るのか?」
「流石にこれ以上お世話になるにも行かないので」
このまま帰らせてしまったら怜はまた死のうするだろう。今回はたまたま俺が見かけて止めることができたが、次も止めれるかわからない。
「別に帰ってもいいが、もう絶対に死のうとしないって約束してくれるか?」
「それは...」
「じゃあダメだ。今日もうちにいろ」
なんか俺、普通なら通報されそうなこと言ってるな。
「でも...」
「いや今回は俺がお前を帰らせたくないだけだ。だから迷惑なんて思うわけがない。なんなら今日は元々暇だったから暇じゃなくなって嬉しいくらいだ。だから、お前が嫌じゃないなら、今日も泊まってけ」
「...お世話になってもいいですか?」
「ああ、勿論だ」
こうして、俺の家に美少女がまた泊まることになった。
——お願い——
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