第19話 遠州三山巡り2 可睡斎

その後、僕らはギリギリで栗団子を買えた。

あと少し後ろに並んでいたら買えなかったかもしれない。

お店へのお土産も込みで3箱買った。

団子を買ってから境内を回り参拝を済ませた。

長めの階段を、彩夏のペースに合わせながら上がっていく。

だんご販売所からだと若干登りやすい気がする。

段差替わりと広いからかもしれない。

ただ、最後の階段だけはそうもいかなかった。

大きな御堂で参拝をしてから来た道を戻る。

団子待ちの時間の方が長かったかもしれない。


車に戻り、駐車場に居たお婆さんに感謝の言葉を告げると次は可睡斎に向けて走り出した。

可睡斎は、少し掛川から袋井方面へと戻る。

法多山の有人有料駐車場から右に出て2つ目の信号にあるセブンイレブンを右折する。

そこからは、道なりに真っ直ぐ行くと20分ほどで可睡斎に辿り着く。

ジェラート屋さんの駐車場に停めると無料にはなるが今日は近隣の無人有料駐車場に停めることにした。

ジェラート屋さん...じぇらーとげんきへと寄る。

ダブルで頼んでもオマケがつくから実質トリプルになるのがここのいい所だ。


「宗一朗は、どれにするの?」

「可睡ボタンと抹茶かな」

「それも美味しそう…ねぇ、宗一朗」


彼女が言いそうなことは分かっている。


「いいよ、シェアしよう」

「わぁい、ありがとう」


満面の笑みを浮かべる彩夏。

僕はすっかりこの笑顔の虜だ。

なんでも許してしまいそうになる。


「私は、カシスザクロと木いちごにしようかなぁ」

「いいね、あとはおまけがつくよ」

「おまけ?」

「少しだけどね、僕はピスタチオにしようかな」

「えー、じゃあマンゴー&パッションフルーツにする」


そうして、僕らは注文をして食べた。

うん、美味しい。

その後は、境内へ。

可睡斎の何としても注目すべきは、寺院内を有料だけど拝観できることだろう。

徳川家縁の寺院の為、三つ葉の葵の紋が見事な徳川家の御霊屋がある本堂。

緊張するトイレと有名な大東司。

雲水達の修行の場である僧堂。

山口玲熙画伯が40年かけて完成させた天井画や襖絵が美しい瑞龍閣。

それらを見ることが出来る。

春先には、見事な雛人形飾りを見ることが出来るし、牡丹の展示もある。

季節毎に様々な表情を見せてくれる。

夏には、拝観できる館内ではないが手筒花火大会も行われる。





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