第2話 キャンプツーリングの準備なにする?
「うーん」
僕は、休憩室でスマホ片手に唸っていた。
久し振りにツーリングへと出掛けようとプランを立てているところだ。
キャンプと言うのにも興味がある。
けれど、初心者すぎて何が必要なのか分からず唸っているというわけだ。
俺は、とりあえず『初めてのキャンプツーリング』で検索を掛けた。
バイクは荷物の制限がある。
それをどうするかが大切だな。
まず必要なものは…シュラフ?ああ、寝袋のことか。
えっと、テントにマット?
チェアに、テーブル。
ランタンに、バーナー。
クッカー?フライパンみたいなものか。
あとは、焚き火台か。
教えて、Amazonさん。
シュラフ…結構するんだな。
寝れれば、どれでもいいよなぁ。
適当に安いやつ買っておこう。
僕は、カートに詰め込んでいく。
テント…これも高いなぁ。
安いので1万円を少し下回るくらいか。
んで、マット?
これってホントに必要?別になくてもよくないか?
チェアは…うーん、安いのでいいか。
テーブルねぇ、うーんよくわからん。
なにがいいのか、悪いのか。
これって、専門店に言って相談するのがもしかして楽?
今度の休みにでも、イオンかSWENでも行ってみよう。
僕は、そっとスマホを閉じ金庫に入れると仕事に戻った。
休憩室を出て手洗いをしてからフロアに戻る。
「こんばんわ。ご来店ありがとうございます」
そう言って、フロアのドアを開けペーストリーケース前にいるお客様に挨拶をする。
さて、クローズまで頑張ろう。
◇
その日のクローズ後。
「『ソウ』さん、休憩中何見てたんですか?」
「ん?キャンプツーリングでも行ってみようかと思っていろいろ検索してただけだよ」
「キャンプ?え?」
どうやら意外だったらしい。
まあ、陰キャみたいなやつがキャンプってと言う感じだろうか。
バイク乗りではあるけど、確かに苦手ではあるな。
場を盛り上げるのって苦手。うへぇ。
「それで、どこ行くんですか?」
「どこ…どこ…あ、行先考えてなかった」
「ダメじゃないですか」
行先考えなきゃな。
どこにいこうかなぁ。
キャンプするならキャンプ場とかかな。
僕たちは、クローズ作業も終わりお店を出る。
僕は、駐輪してある愛車 Vツインマグナの元へ向かう。
「じゃあ、お疲れ様でした」
「お疲れです」
クローズ作業をしていた従業員と別れる。
僕は、バイクに付けていたヘルメットとグローブを装備する。
スタンドを上げ、クラッチを握ると車体を移動させて進行方向を向く。
そして、跨ってからセルボタンを押しエンジンを起動させる。
心地よいバイクのサウンドが響いた。
余り暖気をしているわけにもいかないのでクラッチ・ギア操作をして始動させ自宅へと帰るのだった。
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