第20話 遠州三山巡り3 油山寺

可睡斎の管内をゆっくり回ると昼過ぎになっていた。と言ってもここから油山寺までは大して離れてない。

3kmくらいだから10分もかからない。

油山寺までの間に、食事ができる所はないから参拝を済ませてからご飯にするのもいいかもしれない。


「彩夏、お昼どうする?」

「うーん、お団子もジェラートも食べたからまだいいかなぁ」

「確かに、時間的にはお昼だけど僕もそんなに空いてないや」

「今日行くキャンプ場ね、温泉があったり、レストランもあるからそこでお昼にしない?」

「そうなんだ、じゃあそこでいいかな」


それから、僕は油山寺へと向かった。

法多山や可睡斎に比べて山寺と言えるかもしれない。

油山寺は、目の霊山と呼ばれている。

眼病平癒の力があるとされている。

「るりの滝」の水で目を洗った所、眼病が治ったらしい。


「ねぇねぇ、宗一朗。

あれって、やり方は?」


彩夏の言う「あれ」と言うのは、賽銭箱の上から垂れ下がる数珠玉の事である。


「僕も詳しくは知らないんだよね。

分かんないからいつも1周回すだけにしちゃう」


油山寺は、こういった変わったものがある。

僕もそんなに詳しくないから説明はできない。

境内自体かなり大きくて三重塔があったりもする。

まあ、僕らは本堂にお参りをしただけで終わりにした。




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